読書日記148 太田忠司❨著❩
『猿 神』
 [幻冬舎2020年8月発行]

 

猿神 [ 太田 忠司 ]

 

バブル景気末期の1989年、S県。
飯野電気喜里工場は、日本の代表的自動車会社アスカの最新フラッグシップモデルの照明部品の製造を受注する。 品質管理課の塚田は連日、深夜残業と休日出勤を繰り返し身も心も疲弊していた。
が、塚田だけではない、社員897名全員が厳しい納期と品質管理に汲々としていた。 そんな中、突如1人の社員による工場内での暴行事件が発生。 彼は犯行後、失踪し行方不明に。 その後さらに社内で連鎖する製造事故、暴行事件、自殺、突然死そして殺人。 多くの社員が工場内で何かの姿を見る。 あれは何だ? しかし取引先の製造ラインを止めないため最優先される納期。 すべてがおかしい、狂っている。
ある日、気が付けば工場内外、至るところ隈笹が繁茂していた…。

七夕 七夕 七夕 七夕 七夕 七夕 七夕

太田さんの本は4冊目。
しかし、今までのとは全く違うのに戸惑ったかも?

古くからそこに在るもの、霊的な存在かと思えばそんな裏付けはない?!
事件が起きるけど因果は不明。
推理をする訳でもない。犯人はいるけど動機は過労?

こういうのはホラーミステリーというのでしょうか?

得体のしれないものも恐ろしいけど、著者の体験をもとに書かれたという、バブル時代の工場の過酷な労働現場の描写がリアルで、また違う恐ろしさを感じました。

世の中には、人間が踏み入れてはいけない土地、場所があるのかもね?!

ありがとうございましたm(_ _)m