読書日記147 伊吹有喜❨著❩![雲を紡ぐ [ 伊吹 有喜 ]](https://p.odsyms15.com/fT9jf9NZEUNvIsMHFbOrT4)

『雲を紡ぐ』
[文藝春秋2020年1月発行]
「分かり合えない母と娘」
壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか?
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。
ところが、このショールをめぐって、母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出をしてしまう。
美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
実は、とてもみじかい「家族の時間」が終わろうとしていた――。







初読み作家さんが続きます。
ストーリーとしては、よくある展開だけど、文章の優しさと切なさ…
現実的な問題点の絡め方に、惹きつけられました!
「母と娘」主人公の高校生と中学教師の母
母親の顔色をうかがいながら過ごす日々に心が痛んだ…。
その母親も、やはり母親からの呪縛から抜けられないタイプ?
途切れた家族の糸をホームスパンという伝統工芸を通して、また紡いでいく物語にしたのは見事ですね!
とても繊細な主人公の美緒は、柔らかな羊毛や、岩手の自然、人々に囲まれ自らを見つめ直しひとり立ちしていく。
それと同時に、親達も成長してめでたしめでたし(^_-)
お祖父さんの言葉
『大事なもののための我慢は自分を磨く。ただ辛いだけの我慢は命が削られていくだけ。』
ありがとうございましたm(_ _)m