読書日記33 宇佐美まこと〘著〙

『展望台のラプンツェル』[光文社2019年9月発行]
多摩川市は労働者相手の娯楽の街として栄え、貧困、暴力、行きつく先は家庭崩壊など、児童相談所は休む暇もない。
児相に勤務する松本悠一は、市の「こども家庭支援センター」の前園志穂と連携して、問題のある家庭を訪問する。 石井家の次男壮太が虐待されていると通報が入るが、どうやら五歳児の彼は、家を出てふらふらと徘徊しているらしい。
この荒んだ地域に寄り添って暮らす、フィリピン人の息子カイと崩壊した家庭から逃げてきたナギサは、街をふらつく幼児にハレと名付け、面倒を見ることにする。
居場所も逃げ場もない子供たち。
彼らの幸せはいったいどこにあるのだろうか―。
初読みの作家さんだと思う。
貧困・非行・ネグレクト・性暴力・不妊治療・差別など、色んな辛い要素が詰まっていた…。
この手の話は嫌いではなく興味を唆られる私だけど、残虐さは苦手かな(¯―¯٥)
ずっと違和感なく話が続いていると思いきや、最後で時系列破壊⁉
なるほど!そういうことか…
上手いのかどうかは分からないけど、誰も幸せにならないと思ったのが、収まり良く収めたので読了感は悪くなかった(^^)/
家族とはなんだろう?
血縁ってなんだろう?
負の連鎖は断ち切れないんだろうか?
他の本も読んでみたい作家さんでした。
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
