読書日記29 川村元気《著》

『百花』 [文藝春秋2019年5月発行]
「あなたは誰?」
息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。
ふたりには忘れることのできない“事件”があったーー。
大晦日、実家に帰ると母がいなかった。
息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。
それは母が息子を忘れていく日々の始まりだった。
認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、泉は母との思い出を蘇らせていく。
現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。
すべてを忘れていく母が、思い出させてくれたこととは何か。
息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。
ふたりには忘れることのできない“事件”があったーー。
大晦日、実家に帰ると母がいなかった。
息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。
それは母が息子を忘れていく日々の始まりだった。
認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、泉は母との思い出を蘇らせていく。
現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。
すべてを忘れていく母が、思い出させてくれたこととは何か。







認知症で徐々に壊れていく母親と息子との愛と葛藤。
シングルマザーとして子供を産み、2人だけで生きてきた歴史…
悲しく辛い話しなんだけど、何故か?あまり悲壮さを感じなかったのは…(¯―¯٥)ウ~ン
その歴史に、母の女の部分があったからかな?
母自身の記憶がなくなってから、その部分を日記で知る息子の心情が、本来ならば激しく乱れるだろうに、淡々としているようなのも何か…解せないかも⁉
父親がいないから、自分が父親になることに戸惑う、その辺りの葛藤は随所に見られたかな。
仕事と妊婦の妻を抱えて、これから怒涛の日々と想像したが、早くに理想的な施設に入れて、思わず「あれっ?」
現実は厳しいぞ!
それでも、美しい情景で描きつつ、人の心のひだに触れる文章は、読みやすくて一気でした!
ありがとうございましたm(_ _)m