芦沢 央 著 『貘の耳たぶ』

新生児を取り替えたのは、出産直後の実の母親だった。
切なすぎる「事件」の慟哭の結末は・・・。

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何故に取り替えをしたのか?
二日間の陣痛後、自分から望み帝王切開で産んだことに後ろめたさ。 痛みから逃げたことへの罪悪感。

たまたま出産後すぐに言われた言葉
「普通に産めなくて残念だったね。先生ももう少し頑張らせてくれればよかったのにね」
助産院での言葉
「女性が本来持っている力だけで産むのが自然なお産ですよ」
「そうした本当のお産をすることで、女性は母親として生きていく覚悟ができるんです」
「陣痛が来てから十日かかったっていいんです。大切なのは赤ちゃんのペースを尊重してあげること。 誕生とはこの世界との出会いですから、それがどういうものかになるかで、その子の性格やその後の人生も変わってくると思います」

それを実践した母親の子供と取り替えた。 自信の無さがその動機?

これがまずプロローグとして書かれていて、そこから物語は始まる。

もうこれだけで濃い内容と感じるが、子供に対する愛情と迷い、そして今後はどうするかを上手く表現されていると思った。

私もこの女性と同じで、二日間の陣痛後に自分から望み帝王切開で産んだ。
だからか、感情が入り込んだ瞬間があったが、違うのは私は後悔も罪悪感もないところですね。
だってそれも運命ですから(^-^)v

ありがとうございましたm(_ _)m