PANTAさんについて | triste1980のブログ

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好きな音楽や行ったライブについて書いてます。

PANTAさんが亡くなった。今年は大物ミュージシャンの訃報が続くが、まさかPANTAさんまで逝ってしまうとは。

PANTAさんには一時期入れ込んだので、今回も「私にとってのPANTAさんとは」を書かせていただき、追悼の意を表したい。

私がPANTAさんを知ったきっかけは友人が「ネフードの風」を聴かせてくれたのが最初で、もうこの1曲だけでノックアウトされてしまった。当時はPANTAさんの昔のアルバムはCD化されておらず、聴く機会がなかったのだ。(「R・E・D」が出たばかりの頃)。

その次のアルバム「クリスタルナハト」からリアルタイムで買って聴くようになったのだが、このアルバムがまた凄かった。ナチスがユダヤ人を迫害するきっかけになった暴動「水晶の夜」をコンセプトアルバムにしてしまうとは。
そしてそのアルバムはコンセプトがすごいだけでなく、音楽としても素晴らしかったのだ。
反権力・反体制の人だが文学的でもあり、なによりその書く曲が素晴らしい。こんな衝撃は初めてだった。

そこから遡ってむさぼるように聴いた。ちょうどその頃PANTAさんや頭脳警察の昔のアルバムがCD化され始め、もう必死で集めて聴いた。ライブにも行くようになったのだが、私が初めて見た大宮フリークスでのライブでPANTAさんは数曲やったところで倒れてしまい、ライブは延期になったのは今でも衝撃的な思い出(振替公演は素晴らしかった)。

そして花田裕之さんも参加したアルバム「P.I.S.S.」が出て、私の大好きなミュージシャンの奇跡の合流に歓喜するが、残念ながら花田さんが参加した時のPANTAさんのライブは見ていない。二人のファンとしてはまさに一生の不覚。

90年には遂に頭脳警察が「7」で再始動する。その後出たライブ盤「LIVE IN CAMP DRAKE」がまた最高だった。ギターに藤井一彦、ベースに下山アキラ、ドラムスに後藤升宏。今でもこの時の布陣が最強だったと思う。この時の頭脳警察は91年2月27日の渋谷公会堂でのライブで「自爆」し活動を終了する。私も見に行きましたとも。

ところがこれ以降PANTAさんの活動は停滞した印象が強い。まずオリジナルアルバムが出なくなった。93年にライブ盤「NAKED」、98年に続編の「NAKED Ⅱ」が出るものの、オリジナルアルバムは02年の「波紋の上の球体」まで待たされた。
頭脳警察も01年に再々結成するものの、この時はライブのみでアルバムの発売はなく、どうにも不完全燃焼の印象が強い。
そのため私も「つかず離れず」というスタンスで、アルバムが出れば買うしライブも機会があったら行くという感じで、以前のような熱心なファンではなくなってしまった。

その後もアルバムは購入していたもののライブからは足が遠のいてしまい、最後にPANTAさんのライブを生で見たのは花田さんがゲスト参加した2014年12月24日の上野ストアハウス。
配信だと2020年6月28日の頭脳警察 at 渋谷ラママが最後になってしまった。もっと見ておけばよかったと今になって悔やむ。

PANTAさん、長い間ありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。