山口冨士夫・'12/01/08 原宿クロコダイル | triste1980のブログ

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今年のライブ初めは山口冨士夫だった。ゲストに花田が出るということで、この師弟共演は絶対に見ておかなくては、ということで見に行ったのだが、これが素晴らしいライブでした。そういう訳で、いつものように感想等書いておきたいと思う。

原宿クロコダイルは数年前にband HANADA(当時はまだ花田裕之バンド名義だったが)を見に行って以来で、本当に久しぶり。その時は全席テーブル席で横浜THUMBS UPみたいな印象だったのだけれど、今回久しぶりに来てみたら中央のスペースがスタンディング用に空けられていた。今回はたまたまなのか最近はいつもこうなのかはわからないが、これがライブの開始直前にはほぼ一杯になったので、今回は特別にこういうセッテイングにしたのかもしれない。さすが山口冨士夫、根強いファンが多いということか。

開始時刻を15分ほど過ぎたところでメンバー登場。ギターにP-chan、ベースに中島KAZ、ドラムに安藤直美という構成。そしてフジオが登場したのだが、いや、久しぶりに見るフジオには驚いた。かなり痩せて頬もこけており、頭はほとんど白髪。まるで最近のキース・リチャーズだが、フジオの方がむしろ年上のような印象さえうけた。歩みは老人のようだし、ギターを抱えるのも一苦労みたいな感じで、この日のライブは大丈夫なんだろうか?と思いさえした。やはりあの大病(糖尿病で一時期かなり危なかったらしい)は彼の体をかなり蝕んでいたのがよくわかる。

この登場シーンを見た時点で、あまり長時間はやれないだろうと私は予想していたのだが、この心配は杞憂だったのがライブ開始後にわかることになる。

ライブ開始後からだんだんエンジンがかかってきて、登場時の弱弱しい印象は完全に吹き飛んでしまった。ほんとに元気そうで、ライブが楽しくてしかたないようだった。バックをつとめるメンバーもすごく良くて、特にドラムがよかった。私はフジオと彼女ばかり見ていた(笑)。

で、私は最初の頃は「いつゲストの花田は登場するんだろう?」と思いながら見ていたのだが、ライブが進むうちにフジオの得体の知れない迫力とパワーに打ちのめされてしまった。いや、カッコイイ。確かにヴォーカルは以前の迫力はないし、時折唄が入るのが遅れ気味になったりする。その度に演奏ももたり気味になる。ギターもミスが多い。違うコード弾いたりする。バンドメンバーのおかげで崩壊寸前の曲がなんとか成立してるような感じなのだ。

でも、ほんとなら悪い印象しか残らないようなライブなのに、なんかすげえカッコイイのだ。一体何なんだろう、これは。
なんかとんでもないものを見せられているような、そんな訳のわからない迫力に私は終始押されっ放しだった。そして何曲か終了後に思わず大声で叫んでしまっていた。「カッチョイイ!!」と。

ライブは本編は1時間くらいの予定だったらしく、ギターのP-chanが何度かストラップを外してギターを下ろそうとしたのだが、その度にフジオがギターを弾き出してP-chanもストラップを元に戻す、メンバーもそれに合わせる、といったことをやっていた。で、70分くらいやって花田が登場しないままライブ本編は終わってしまった。
「こりゃ花田との共演はアンコールだけなのかな」と思ったが、その後「今日のライブは2部構成で行います」のアナウンスが。正直驚いた。すげえ元気じゃん。やる気満々じゃん。

で、約30分ほどのインターバルをおいて2部開始。1曲終わった時点で待ちきれなかったように紹介される前にステージにあがる花田。フジオも紹介する前に花田がステージにいて驚いていたようだ(笑)。

ここから師弟共演となったのだが、いやこの日の花田はよかった!!。ずっと敬愛していたフジオとの初の本格的な共演ということで、かなり力も入っていたと思うのだが、変にかたくなったりすることなく、いつも以上にのびのびと弾いていたように思う。
以前花田本人に聞いたことがあるのだが、フジオとの共演は過去に一度だけ。フジオの弾き語りライブを見に行った時にステージから呼ばれて共演した時だけだったそうだ。そういう意味で花田ファンとしては歴史的瞬間にたちあったことになる。

で、人のバックにまわった時のギタリスト花田は、やはりうまい。フジオは曲を勝手に弾き始めることが多いようで、バンドメンバーさえ何の曲かわからない段階から的確にバッキングを始めるあたりは、長年の山口冨士夫ファンの花田ならでは。「おさらば」と「ROUTE 66」ではフジオと交互にヴォーカルもとり、このへんはファン冥利につきるだろう。
第2部も約70分くらいだっただろうか。いや、至福の時間でした。花田のギターもすごいよかった。フジオもすごい嬉しそうだった。

確かに演奏の出来としては決していいとは言えない内容だった。全曲崩壊寸前のギリギリのところで成り立っているような、そんな気さえした。でもそれが今回は不思議なくらい気にならなかった。
フジオが演奏しただけでロックになる、そんなロックの神様に選ばれたような男のステージだった。それを2時間半も見られたのだ。新年早々いいものを見させてもらいましたよ。

最後に。セットリストは友人に教えていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

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(第1部)
01.いい夢みてね
02.捨てきれっこないさ
03.酔いどれ天使
04.瞬間移動できたら
05.DRIVE
06.GORILLA DO
07.IMAGINE
08.SKY HIGH
09.終りのダンス~JUMPIN' JACK FLASH
10.皆殺しのバラード
11.いきなりサンシャイン
(第2部)
12.SUZIE Q
13.ROCK ME
14.ひとつ
15.からかわないで
16.おさらば
17.WALKING THE DOG
18.ROUTE 66
19.トンネル天国
20.誰かおいらに
21.気をつけろ
22.ピッカピカダイアモンド

(M13~M22 with 花田裕之)