車検が通らない車が続出か?

車検の審査基準の変更が8月から変わります。実はすでに2015年に変わっていました。正しくは猶予期間が終わって、以前の検査基準との併用が無くなるのです。

車業界ではいろいろと話題になっていて、ネットに情報も上がっています。

でも、実は情報元が大切なのです。当ブログを読んで下さる方は技術的な知識がある方が多いので、今回の情報もお役に立つと思います。

このような事は検査部門を担っている独立行政法人や陸運事務所に聞いても、形通りの事しか答えません。これから書く事は管轄運輸局や検査機器のハード面等の状況により、日本中全く同じではない事をご理解下さい。また、お役所的な堅苦しい言葉ではなく、一般的に分かり易い言葉を用いて書きます。

実際に聞いたもっと奥の部分は各陸事の事情によって様々だと思うので、ブログには書きません。知りたい方は19日に開催予定のエクスチェンジマートに出店しますので、そこでならお話し出来ます。

このような場合、私が情報元にするのは予備検査場です。そこに行って、令和6年8月問題を”取材”して来ました。ちゃんと足を運んで聞いて来ましたよ。今では雑誌社も取材に行かずにネット検索して書く”コタツ記事”が増えて、そういう記事は読む意味がありません。読者に伝える側の知識が余りに薄いので、正直呆れています。

予備検査場は陸運事務所の近くにあり、計測機器の事等、陸事から一定の情報が入ります。また、公の立場では言えない事もありますから、私はそのような情報を予備検査場で入手します。検査ラインの調子も聞いて、受かり易い検査ラインを聞いたりもします。

前述の通り、ヘッドライトの測定基準はすでに2015年に変更になっています。それまではハイビームでの測定となっていましたが、ロービームでの測定に変更になりました。

ところが、検査基準を変えたらヘッドライトで不合格車が続出、そうなると一回の検査でのやり直しは2回まで出来ますから、検査ラインが渋滞する訳です。それでも合格しなければ、もう一度調整して検査ラインに入り…と、合格しなければ1台の車が最高で3回検査ラインに入る事になります。

もちろん、車検を取りに来ている人も困れば検査場も大渋滞となり、苦肉の策として猶予期間を設けた、その期限が今年の7月までなのです。ですから、最近新しい基準を設けたのではありません。

この基準に該当する車両は平成10年以降の自動車ですから、殆どの自動車が対象となります。

ヘッドライトの光量は6,400kd(カンデラ)以上で、H4バルブでも基本は問題ありません。ただ、光源ではOKでも反射光もありレンズを通ります。特にレンズが問題で、経年劣化と紫外線による劣化で黄ばんだり細かいヒビが入る事があります。

こんな感じですね。

これで光量が落ちたり光軸調整が難しくなったりする。

一番いいのは新品交換ですが、かなり値が張るので、プロに施工してもらうヘッドライトのレンズ表面を削った後にコーティング(塗装)してもらう。

それもそこそこの金額なので、私はプラスチック専用の研磨材で磨いています。

どこの家庭にもあるであろう「ピカール」でも見た目はきれいになりますが、これは金属研磨材です。今回の検査基準を考えると疑問が残ります、というより検査に受からないといけない訳ですから、やはりプラスチック専用の物の方がいいでしょう。

車検前には毎回この研磨剤でヘッドライトレンズを磨き、新品同様とはいきませんが黄ばみはかなり取れて光量もクリアしています。

ネット上には「ヘッドライトライトの黄ばみはこれで落とす」というような情報はたくさんありますが、普段はそれでいいとしても車検の検査ですから確実性を高める方法をお勧めします。

社外品のHIDやLEDでも光量的にはクリアしますが、これも以前予備検査場の人に聞いてみたところ、「通る場合もあるけど、通らない事もある」と言われたので、光量的には厳しい旧車のオートバイでは、以前書いた”バッテリーの⊖から太いアーシングケーブルをヘッドライトの⊖に引く”事で解決しています。H4バルブ等で18,000kdを超えています。ちなみに、オートバイは従来通りハイビーム測定だそうです。

一口に社外品と言っても、安いものはC 国製でしょうし、製品のバラツキもあるでしょう。一度検査コースに入った以上は、当日中に合格しないとお金がもったいないですから、ここはノーマルに戻した方が賢明です。

光量を確保出来ていて、光色に問題なければ、あとは光軸をクリアするかどうか。

もちろん検査と同等の測定をするのですが、予備検査場でOKだったのに検査ラインでは不合格という事もあります。

光軸は意外と厄介で、車によっては手を入れる事もあるのです。車検の問題点についてはまた別の機会に書きますが、検査官による部分もあります。

私はずっと自分で車検を通しているのですが、もちろん事前には整備してから予備検査場でのチェック後に車検を受けています。

車検に行った時に受付におじいちゃんとおばあちゃんがいて、要は安く上げようと初めて持ち込んだのです。どうやら、車を持って来れば整備してくれてハンコが貰えて車検が取れると思って来たようです。だから、整備もしていなければ書類の書き方も分からない、説明しても理解出来ない。困り果てた窓口の人に「ここは整備場じゃありませんから」と諭されていました。

検査ラインでろくに整備もしていない車の後ろに並んだら最悪です。検査の対応を教えてもらう、整備していないから不合格でやり直し…。並んでいる車を見てそのような受験の後ろに並ばないよう、見定めてはいるのですが…。

車検を受けるのなら、ちゃんと整備はしてからにしましょうね。

本来、車検は使用者が取るものです。整備士の資格がなくて、それが出来ない場合は業者に頼む。私の場合は自己責任のユーザー車検ですが、日頃から気になった所は整備しているし、車検で落ちやすい部分は事前に整備するので、殆ど一発合格で取っています。

「自分の乗り物は自分で整備する事で、より安全に長く乗れる」これが私の哲学です。

8月以降は車検が取れる期間になったら、早めに予備検査場に行きチェックしてもらう、ヘッドライトで落ちそうなら業者にコーティングしてもらう、という流れでしょうか。

ちなみに、マジ軽ナットの説明の際に「車検に通りますかはてなマーク」と何度か聞かれました。私の車はテスト車両でもあるので、あちらこちらにマジ軽ナットのシリーズが取り付けてあります。タイヤバルブはもちろん、サスペンション、インシュレーター、エアクリーナー、エンジン、デフ、スタビライザー、エアコンホース等など。車検では車体の下回りの点検もしますが、今のところ何か言われた事はありません。

車体の外側に飛び出すような取り付け(そんな事はする必要もありませんが)をしない限りは問題ありません。

自分では面倒だからとラジエター交換を業者に出したら、ラジエターホースにマジ軽バンドが取り付けてあるので、「あれ、何ですかはてなマーク」と聞かれた事はあります。

整備士で知識があるので「クーラントの循環で発生する流動帯電をあれで除電するんです。するとウォーターポンプで無駄に使われていたエンジンパワーが使えるようになるから、急な坂でも余裕で登れるようになるんです」と名刺をお渡しして説明しました。「凄いですね、特許も取っているんですね」と感心されていました。

余談ですが、マジ軽ナットを使っている人の所に修理か何かで車が入って来た。タイヤを見たら「マジ軽ナットが付いてるぞビックリマークと大喜びしたとか。マジ軽ナットユーザーなら、その気持ちが分かりますね。

いくら除電でパワーが使えるようになっても、駆動するタイヤがちゃんと回ってくれないと台無しです。タイヤが全ての基本、この意味が分かる方がどんどん増えていて嬉しいです。

車検でのヘッドライトの測定基準は本当に完全移行となるのかどうか。地域性もあるかも知れないし、その辺はまだ情報を集める必要があります。

私の意見では、何もヘッドライトの基準をそこまで厳格化する必要があるのかはてなマークと疑問視しています。LEDライトは逆に明るすぎて眩し過ぎると思いませんか?そういうと、「上限を決める必要がある」と規制をする事で仕事をした感を出したがる役人もいますから良くありませんが、要は夜間に一定の範囲を照らしてちゃんと見えればいいのではないでしょうか?

基準を変えるのが目的ではなく、安全に走る事が目的だと思います。

どうでしょうか、今回のブログはお役に立ちましたでしょうかはてなマーク

お知らせ

5月19日(日)午前5時より厚木市 あゆみ橋で開催されるエクスチェンジマートに出店します。
Xで少し書きましたが、科学情報出版㈱のEV(電気自動車)、ハイブリッド自動車の技術情報総合サイトEV-tech.jpより、再度、自動車技術に関する執筆依頼があり、「自動車向けの放電技術とは」テーマで、今度は3,000字の内容で執筆する事になりました。

「静電気なんて取ったって何なんだ」という人もいますが、このサイトには自動車関連の様々な分野の11万社が有料で登録しています。意味のない技術を掲載したら、怒られますよね。ちゃんと「放電技術」というカテゴリーがあるのです。

内容的には派生パーツのマジ軽ナットシリーズも入れて書く予定です。

特注のマジ軽ナットシリーズをご注文の方はご用意が出来ていますので、ご来店をお待ちしております。