帯電は実効面積を狭くする
大手自動車メーカーの特許解説の記事は毎回凄いアクセス数になります。
特許は大きな会社だから間違いない、小さな会社や個人は怪しいというものではありません。「特許を取得している」事に意味があるのです。
ただ、大企業も特許を取得しているのだから間違いないという意味で説得力があります。
吸気系の除電の特許はホンダも取得していますが、こちらはセンサーを使って電気的に中和させるもの。
トヨタの除電の特許は、電源を使わず金属箔や塗装で除電する。電源を使わないという意味からすると、マジ軽ナットの特許と似ています。
勘違いして欲しくないのは、マジ軽ナットの特許の方が申請・取得共にトヨタ自動車よりも早いという事。
そして決定的に違う部分もありますが、それは秘密です。
読解が困難な特許文献を中学生でも分かるように紐解いていきます。
いつも通り、オリジナルの文献は青太文字にして、その下に解説を書きます。
【0036】
これはエアクリナーケース(ボックス)の構造の説明なので省きます。
【0037】
また、本発明による実施例では、図4に示されるように、空気流入側エアクリーナケース1および空気流出側エアクリーナケース2は、空気流入側エアクリーナケース1と空気流出側エアクリーナケース2の接続部に夫々、空気流入側エアクリーナケース1の外壁面および空気流出側エアクリーナケース2の外壁面から外方に突出する接続用フランジ6,7を具備しており、空気流入側エアクリーナケース1の接続用フランジ6と空気流出側エアクリーナケース2の接続用フランジ7間においてエアフィルタ3の周縁部が保持されており、自己放電式除電器10は、空気流入側エアクリーナケース1の接続用フランジ6の外壁面上又は空気流出側エアクリーナケース2の接続用フランジ7の外壁面上の少なくとも一方に設置されている。
個の発明の実施例では、自己放電式除電器を空気流入側のエアクリーナケースの接続用フランジの外面または、空気流出側のエアクリーナケースフランジ(合わせ部)の外側の少なくとも一方に設置している。
この特許ではエアクリナーケースのフランジに自己放電式除電器を取り付けていますが、現在では更に研究が進んでエアクリナーケース全体で除電するようになっています。
2024年のラリージャパンではエアクリナーケースはシルバーの除電塗装だったものが、2026年のラリージャパンでは、エアーインテークですがゴールドになっています。
このように、研究が進んで進化していると考えられます。さすがトヨタですね。
「少なくとも一方」と書いてあるのは、帯電量が多ければ両方に取り付ける事も想定して含みを持たせている訳です。「片側のみ」と書くと、両側なら特許の範囲外になってしまいますからね。
【0038】
なお、図2に示されるように、自己放電式除電器10は、空気流入側エアクリーナケース1の接続用フランジ6の外壁面上に等間隔で複数個設置することが好ましく、或いは、図3に示されるように、自己放電式除電器10は、空気流出側エアクリーナケース2の接続用フランジ7の外壁面上に等間隔で複数個設置することが好ましい。
図2で示しているように、自己放電式除電器は空気流入側エアクリーナケースのフランジ外面に、等間隔で複数個設置することが好ましいと書いてあるのは、特許を申請した当時はそうだったという事です。
この時点では自己放電式除電器を複数枚取り付けていたのですが、それでは除電量が不足しているので、上の写真のように全面に除電の表面処理をずるようになった。
トライスターズテックでは、吸気の一部分だけでも体感で分かる施工をしていますが、それだけでは不十分なので、なるべく手間をかけずにエアクリナーケース全面に近い効果的な除電をお勧めしています。
写真はロードスター(NC)に吸気の除電を施工した時のショットです。これをする事で更に速くスムーズに吹け上がるようになるのは、エンジンベンチテスターでの性能試験でも証明されています。
【0039】
次に、図10Aおよび10Bを参照しつつ、エアクリーナの夫々別の実施例について説明する。図10Aは、シリンダヘッドカバーと一体的に形成されたエアクリーナの分解斜視図を示している。図10Aを参照すると、この実施例では、エアクリーナは、非導電性合成樹脂製シリンダヘッドカバー20に一体形成された空気流入側エアクリーナケース21と、非導電性合成樹脂材料製の空気流出側エアクリーナケース22と、エアフィルタ23とにより構成されている。この実施例においても、空気流入側エアクリーナケース21の接続用フランジ24と空気流出側エアクリーナケース22の接続用フランジ25間においてエアフィルタ23の周縁部が保持される。
図10A及び10Bの図解を用いてそれぞれの実施例について説明する。
この実施例ではエアクリーナーはプラスチック製(絶縁体)のシリンダヘッドカバー(20)と、分割式のエアクリーナーケース(21・22)とエアフィルター(23)によって構成される。
この実施例でもエアフィルターを挟む形で上下のエアクリナーケースが固定されている。
今回の特許の解説はここまでです。
前回の特許解説の中でこのような質問がありました。「エアフィルターを除電すると、なぜ吸入効率が良くなるのでしょうか?」というものです。
エアフィルターは通常は不織布のような、編みこんでいないプラスチック製のフィルターになっています。
プラスチックというと、固い合成樹脂を思い浮かべがちですが、英語でプラスチックスと言い、形状が自由に変えられる物という意味です。
合成繊維もプラスチック製品の一つですから、静電気が発生・帯電します。
上の図解は東レのホームページに掲載されているもので、拡大するとこのように織られていない糸を板状にして空気の通りを良くしています。
空気はこの網目を通過して流れる訳ですが、プラスチック製のエアインテークや、ゴム製のパイプを空気が流れると静電気が発生して、エアフィルターを通過する時の摩擦でも静電気が発生、これを除電しないと静電気がどんどん溜まって、1,000V以上の電圧になるとトヨタの特許に書かれています。
スポンジをフィルターとしているタイプ(いわゆるキノコ)も石油由来ですから、同様に帯電します。
静電気が帯電すると、通過する穴(この場合は繊維の隙間)の実際の物理的な面積より狭い面積でしか気体が流れません。
これはトヨタのマフラーの特許にも書かれています。
適度に除電する事で、実際の有効面積通りに吸気や排気が流れる。実質穴を広げたのと同じような効率の良い吸入や排気になります。
その結果、音質が低くなる事が多い。音は穴径が太い五度音質が低くなる特性があるのはご存じの通りです。
現代の自動車は軽量化とコストダウンの為にプラスチック部品(非導電性合成樹脂材料)が多用されています。プラスチックは石油から作られています。合成ゴムも原料は石油です。石油由来の物は、導電性の原料と混合しない限り絶縁体で電気を通しません。
空気や液体との摩擦や部品の反復運動や回転運動で発生した静電気は導電体の金属はよく流れますが、絶縁体では流れる事が出来ずにそこの留まる、つまり帯電です。
フリースで静電気が起こると繊維の動きが悪くなり、脱ぐのにより力が必要になります。
「ゴムは電気を通さないのに帯電するのはおかしい」という質問がありましたので、下の記事を読んで下さい。
これと理屈は同じで、機械や物の動きを留めようとします。それで「留電気」と名付けました。例えば、エンジンのタペット音はタペットクリアランスが大きい事だけが原因と思われがちですが、それだけではなく静電気が動きを悪くしています。
経費節減の為にマジ軽ナットシリーズを導入しているタクシー会社では、JAPAN TAXIというタクシー専用車両が新車からタペット音が出ていて、ディーラーに聞いたところ「問題ない」との返答で、不満に思われていたのだそうです。
除電を進めていったら、エンジン部品の除電で「タペット音が小さくなった」と連絡がありました。
新車でタペット音が出ていたとは知らずに納品したのですが、エンジンを除電するとタペット音が低減するのは知っていました。
写真はトヨタ ピクシス(ダイハツ ハイゼットOEM)の除電の例です。
除電で何でも解決する訳ではありませんが、除電によって静かになる、部品がスムーズに動くのは当たり前の事です。
トライスターズテックではネットショップBASEで通販をしています。
クレジットカード、コンビニ払い、Amazon pay等各種決済で購入可能です。
まずはタイヤの除電で「除電チューニング」を体感されて下さい。
自動車用・オートバイ用はメルカリでも販売をしています。
お知らせ
6月28日(日)午前5時から神奈川県厚木市 あゆみ橋で開催されるエクスチェンジマートに出店します。
台風の影響が気になりますが、悪くても微雨の予報です。
開店時間は5:30頃を予定しております。
あゆみ橋でのエクスチェンジマートの開催は今回で最後になるようです。事情はわかりませんが、今後の開催予定は未定だそうです。
除電にまつわるご質問は百人組手で即座にお答えしています。貴重な機会ですので、
ご来店頂けましたら幸いです。










































































