良い工具は人を助ける
過走行のスーパーカブを修理しながら、テストドライバー視点で改善、本業の除電チューニングの記事を書いています。
カブ初心者なので詳しい整備内容は先輩方にお任せして、余り記事になっていない内容を書きます。
ゴールデンウィーク中に大きな作業をする方も多いので、参考になれば幸いです。
「その13」で、工具の写真を掲載しました。何に使うかお分かりになりましたでしょうか?
この工具を何に使うか分かる人はかなり少ない筈です。
答えは、バイクのスタンドのスプリングを脱着するSST(特殊工具)です。「そんなのいらないだろう、マイナスドライバーで十分だ」という人もいるでしょう。
でも工具というのは効率化で時間を節約する、安全に作業出来る事で怪我を防ぎ、他の部品に傷を付けないというメリットもあります。まるで除電チューニングのようですね。
一生に一、二回しか使わないのなら必要無いかも知れませんが、この工具を使うきっかけになったのは、随分昔の苦い経験です。
今では二流・三流の工具が簡単に手に入りますが、平成の初め位までは安い工具屋さんは少なく、ネットも無かったから情報も入らない。それで多くの人がやっているように、マイナスドライバーやフックでスプリングの取り外しをしていました。
大型車だとスプリングが強いので恐々作業していましたが、 ある時に「バチン!」とスプリングが外れて指を怪我してしまいました。作業どころではありません。
1980年代からスナップオンの名が一般にも知られるようになり、正規輸入代理店はもちろん、並行輸入した工具を車に積んで移動販売をするようになりました。
もちろん購買者のメインは自動車・バイク販売店。ちなみに研究所のメカニックは工具は自分持ちなのですが、多くの人は国産メーカーの工具セットを使っていました。研究所内でも盗難があるからです。
スナップオンは移動販売と永久保証の謳い文句で販売、個人でも憧れの高級工具を使い始める人が出始め、友人でもスナップオンの物なら何でも欲しいというコレクターがいました。
豆知識ですが、スナップオン発祥の米国では、確かに高級工具ではあれけれど「永久保証」での販売ではないのだそうです。ですが、信用度が高くNASAや軍事部門では正式採用されています。
私自身はスナップオン信者ではありません。確かに良い物が多いのですが、例えば握り物(ニッパーやペンチ)はKNIPEXが優れているし、叩きもの(タガネ系)ならばPBを信頼しています。
自分の使う範囲で、コストや使用頻度も考えて選択していますが、狭い空間での作業や「ここぞ」という時の安心感が違いますね。
スナップオンを個人で毎月大量に購入していて、正規代理店の所長が挨拶に出向くようなお金持ちのバイク仲間がいて、この工具を勧められました。
実際に見せながら、「簡単なんだよ、この穴をスプリングが掛かっているところに入れて右に回す。ほら、もう取れた」。
「凄いですね、これ!」、「そうだろう、簡単に外れるんだよ」と言って、今度は外したスプリングを取り付けるのも見せてくれました。
それを再現する形で、写真と解説をご紹介します。きっと「そうなんだ、スプリングは力ずくでやればいいと思っていた」という人、続出だと思います。
何も怖がる必要も無く力も要らず、いとも簡単にスプリングが外れます。その時間およそ2秒。
先端はよく考えられた凹形状で、スプリングが溝に入る構造になっています。
反対側の先端は出っ張りに引っかかり、安定する形状の爪になっています。
スプリングの取り付けには反対側を使います。
この絶妙な曲がり具合で、上手く力を逃さずに安定してスプリングを延ばしつつ滑らせる。表面がザラザラなのも接触面積を減らして、摩擦係数を下げる為でしょう。
スプリングを引っ掛ける出っ張りのところに、先端の爪を引っかけて滑らせると…。
ググっと音を立てながらスプリングが伸びて、外れる事無く引っかかります。
これも怖がる必要はありません、少し力は要りますが。時間は3~4秒でしょうか。
滅多に使わないのですが、いざという時には役に立つ。このような工具もご紹介したいと思います。
自分のカブの除電チューニングの方は出店が続いたので進んでいませんが、ゴールデンウィーク中でも発送していますから、カブを発送業務に使っています。
用足しにも便利ですし、桜が咲き出した時にはひと走りして来ました。
フロントサスペンションを除電して動きが良くなった事で走り易い。どうしてもスピードを出してしまいます。
そんな中、マジ軽ナットファミリー(ヘビーユーザー)で、ライディングアドバイザーの著作のあるOさんから連絡がありました。noteで記事を書いておられて、マジ軽ナットシリーズも何度も記事にされています。
Oさんは、飛行機が空気との摩擦で静電気が発生・帯電するので、その解決策として「放電索」という、ひも状又はスティック状の物から空気中に放電して、機体を除電しているのをご存じだったそうです。それでマジ軽ナットにも興味を持たれた。
「飛行機は空気中に放電しているが、車やバイクはどうなのだろう?」と思われたのでしょう。
乗り物が動くと静電気が発生し、それが故障や効率悪化の原因になるので、何らかの方法で除電しないといけません。飛行機の除電の記事です。
Oさんは海外でのレース経験もあり、ライディングスクールを受講するほどの熱心な方で、ライディングの著作もあります。
マジ軽ナットをよく理解され、ツーリングに行った際には居合わせたライダーに勧めてらっしゃるそうです。このような熱烈なマジ軽ナットユーザーさんは全国にいらっしゃいます、ありがたい事です。
地元でスーパーカブの耐久レースがあるのを知ったそうです。そういえば、トモさんが自走で参加した奈良カブミーティングも近々開催されるとか。
当ブログのカブの記事を読んで、家にヤマハのカブ版のメイトがあるのを思い出し、調べたら参戦出来るレースがあったと連絡が来ました。
「それならば、レギュレーションに抵触しない範囲で除電パーツを提供しますよ」と返答し、二つ返事で話が進みました。
メイトとはいっても2ストロークではなく、4ストロークOHCの自動遠心クラッチでチェーン駆動。
基本的な構造はカブと非常に似ているものの、カブに比べるとメイトは非力なのだそうです。それはそうでしょう、販売年数と販売台数が段違いですから。
そんな非力なメイトでも、除電チューニングを施して負荷をどんどん減らす、走り易くする、効率を良くしてタイヤの性能を上げる、各部の動きを改善すれば勝機はあるだろうと考えました。
やり取りをしているうちに、早速記事を書いてらっしゃいました。
早速、写真を送って頂き、様々な場所を指定してデータを貰い、揃ったところで一式を発送しました。そして、何をどう施工するのかのご説明もしました。
その説明文を読まれて「僕が(noteの)記事に書いたことの15倍ぐらい繊細だったので驚きました」とのメールが届きました。
そう、ただ除電する物を取り付けるだけでは話にもなりません。除電チューニングは理論に基づく総合力なのです。ブログを読んだり写真を見たりして真似しておられる方がいらっしゃいますが、そんなのでは話にならない。
そもそも真似されても除電の効果が出ない範囲に留めて、ブログを書いているのです。
以前は「書いているのは除電技術の6~7割」と書きましたが、現在ではもっと進化していますから、概ね半分位です。
それが「15倍ぐらい繊細」という表現に現れています。
その進化した除電を基本のタイヤで検証したインプレッションも届きました。
ご本人は驚かれたでしょうけれど、理論通りのインプレッションです。「そうか、その手があったのか!」と思われたと思いますが、実はこれはHondaエコマイレッジチャレンジのレースカーでも採用済みです。顧問の先生に伝えたのはもちろん私です。
タイヤだけで勝敗が決まる訳ではありませんが、総合的にバランス良くしていくのは乗り物に限りませんよね。
タイヤの除電でユーザーさんの一番多い表現は「タイヤがしっとりする」。これは静電気の帯電でゴムの分子の動きが悪くなるのですが、除電する事で分子が良く動くようになるからです。それがシートを通して感覚で分かるのです、もちろん車でも。
サッカー日本代表もそうですが、体格やパワーで比べたら、欧米、南米、欧州、アフリカには敵わない。でも日本人独自の特性を考えられる監督がいて、上手い具合にバランスを取り、選手の能力もあってチーム力を高めて強豪国に勝ち続けています。
実は除電チューニングには様々な現象や出来事も参考にして取り入れています。
これを例えるなら、テーブルに広げたハンカチの真ん中を摘まんで持ち上げる、そうすると富士山の形のように周辺も引き上げられる。その形が理想的になるように各部のバランスを整える。
車やオートバイの深い知識がないとアドバイス等出来ない事なのです。
カブミーティングに行っても気付かない除電チューニング。タイヤを除電するとタイヤの転がりが良くなって、振動をより吸収してくれる。ツーリングにももってこいです。
目立つ事が目的ではなく、性能を向上させるパーツ。スムーズで走り易くする事が、結果的に楽しくて疲労度も少なくなります。
もちろん、自動車でも同様です。
そのような本格派のマニアの方はネットショップでどうぞ。
マジ軽ナットはメルカリでも購入出来ます。自動車用、オートバイ用のみとなります。


































































