子供の時から、自分の人生をよくするための教育や指導を受け、

 

才能を開花し、能力をつけ、より良い環境に行くために努力もし、

 

夢を持ち、幸せを追い求め、いい人生設計を組み立て、

 

上手くいかないこともあり、上手く行くこともある。

 

選ばれることより、選ばれないことの方がより多く、

 

それでも、自分なりの居場所で生きてゆく。

 

ああ、それが人生なのかと思っていたら、

 

それは、きっと40歳ぐらいまでの上り坂のような人生の話であって、

 

還暦を迎えるころには、自分が何者かになるとかいう話は、すでに結果が出ている。

 

趣味に興じ、老化と持病に付き合い、誰も見向きもしない存在になってゆく。

 

自分から見た世界で自分を捉えるのは、得てして独りよがりになる。

 

自分ができること、次の代の役に立つこと。

 

自分は長い長い時間の中で、歴史が紡がれる中で、触媒でしかない。

 

繋げる相手が見えていなくても、誰にも気づかれず名も残らずとも、

 

次の代が、また次の代に繋げてゆく。しっかり生きなければ、繋げる何ものもなく、

 

繋げられるに足る存在にもなれない。