20世紀の天才と謳われたアルバート・アインシュタインが死の数週間前に

 

盟友のMichael Bessoの家族宛に記した手紙にある言葉。

 

ドイツ語だけれど、英訳にはこうある。

 

Now he has again preceded me a little in parting from this strange world. This has no importance. For people like us who believe in physics, the separation between past, present and future has only the importance of an admittedly tenacious illusion.

 

今、彼はこの奇妙な世界から私よりまた先に抜け出した。それはどうでもいい。物理学を信じる我々にとっては、過去・現在・未来という切り分けはご存知の通り、こびり付いた幻想にとってのみ重要なのだ。

 

 

生まれてこの方、一定の重力しかないと思い込んできた人間は、

 

時間も一定、光の速度も一定、それが常識になる。

 

宇宙から見れば、常識でもなんでもなく、針の先より狭い極一部の環境での状態に過ぎない。

 

ならば未来から過去へ時間が流れるところがあるのか、といえば

 

当たり前だが、宇宙には基準とすべきものはない。

 

1秒も、1mも、1gも、全て人間が発明した基準に過ぎない。

 

宇宙は相対的にしか、捉えられない。地球上の人間が、他の天体を相対的に観察するように。

 

従って、早く時間が進む空間からすれば、遅く時間が進む空間は、

 

まるで時間が逆行しているかに見える。

 

彼の言う通り、過去・現在・未来は妄想に過ぎない。

 

自分の常識など、大きな世界からは、常識ではないのだ。

 

常識というのは、自分が生きている間だけの便宜上のコンセプトに過ぎない。

 

物理学はそう言っている。

 

人間が長い歴史の中で、作り上げてきたあらゆる物事は、

 

ほとんどが生きている間にしか役に立たない。

 

それでも、生きているうちは妄想であろうが縛られているし、

 

無視できることではない。ただその妄想が覚める時が来る。

 

人が一番気をつけるべきこと、「過剰最適」。