はい ブラザート アル バローロの続きです。


Brasato al barolo ピエモンテのバローロで煮込む唯一の郷土料理


バローロと野菜を5時間煮込んだら今度は出た旨味をお肉に呼び戻しの儀式で冷蔵庫で保存します。上に浮かぶ脂も固めて廃棄します。北イタリアのお料理には新参者の赤いトマトは登場しません。入れる人もいますが入れたらブラザートとは呼びません。トスカーナより北側の州ではトラディッショナルな郷土料理では、真っ赤なトマトソースは入りません。トマトは旨味成分グルタミン酸豊富なので、入れとけばとりあえずなんとかなるんですよね



注文が入ると煮詰めて色々入れてフィニッシュ

実際には出た旨味が本当に旨味戻るんかな?と謎を昔から感じてますが、だって温めたらまた出るよね??と呟きながらクラッシックな作り方に従います


バローロだとやっぱり色が赤いですね


普通は真っ黒


ただバローロ入れただけだと、うほーって言うくらい酸っぱいです。これを調節するために煮込んだ野菜など一緒にミキサーに入れて酸味を緩めてソースとします。が、私はこれが野暮ったくてデミグラスソースみたいで、嫌なので、あの手この手を使い酸味をまろやかに仕上げ、美しい色のバローロらしいソースに仕上げます。ここで料理人のアイデンティティが試されます。 ブラザート アル バローロは本当に難しい料理ですね。普通に黒葡萄のワインで作れば楽チン。でもやっぱり香りが良い バローロの香りがするようなしない様な香りがします フィニッシュにチョイバローロを入れると香りがします。トリュフなんかも合いますね〜 



この料理に欠かせないのは、やはりポレンタ。 とうもろこしの粉 味気もなくとうもろこしの甘い香りはしません。 オートミールですね 貧しい時代に、とうもろこしを芯ごとカラカラに乾燥させて、粉にしてお湯で溶いて 飢えを凌いでいた食材です。とうもろこしのペーストをイメージすると後悔するくらい美味しくは無いです。滋味な味わいです。 ほんの甘くてお腹に溜まる主食のような、白米までは美味しいとは言えませんが、玄米お粥的なイメージです。 現代では味の強めなお料理に添えて食べます 焼いて食べたり 揚げたり 色々 まぁ微妙ですが… やっぱりポレンタは炊き立てが1番 単品として食べる料理ではありませんけど ブラザートには必ず必要 酸味のあるソースがポレンタで和らぎます。



何時もは普通にジャガイモのピュレの方が美味しいからここにゴルゴンゾーラを入れたりりんご入れたり遊び心を足してブラザートに添えてますが、ブラザート アル バローロである以上はアレンジは許されないのでピエモンテの会社の石臼で挽いたポレンタをご用意しました。まだ皮も残っていて荒々しいですが、風味が良いです。ちょっと緩めにたいていクーリのように仕上げます。


まぁここにクリームやらバターを入れたらそりゃ美味しいですが、あえて入れないで味は薄くします。


さぁ召し上がれ!お客さんに頂けなればアルドコンテルノ煮込みなんて不可能 感謝




はぁ〜 



くぅ ごめんなさい


いやごめんなさい


もう 


まだワインが飲めない自分にごめんなさい


これは美味しすぎる ついに自分もこのクラスの仕上がりの料理が作れる様になったか、イタリア料理研究所(当店)での12年の修行は嘘をつかなかった。ありがとうTRIPPA

(言い過ぎ)


お肉の味わいも。もちろん素晴らしい


1番はやはり美しい妖艶なバローロ香るソース 

酸味は見事に丸みを帯びて柔らかく、酸は残りつつ香り豊かで繊細。ポレンタのクーリが旨味を広げる


これはもう反則


食べれる方は今週スペシャリテコースをご予約頂いた幸運の持ち主のごく僅かな方々(普段はノーマルのブラザートは作れますが、ブラザート アル バローロは、バローロをご提供下さる方以外にはご提供出来ません。。。無論バローロ代金も頂ければ頑張ります!偽物にはなりますが、ただのネッビオーロでもたいして変わりはしないとは思いますが まぁ実際のところ、私は入れないですが、バルサミコ入れたり色々入れたらもはや何のワインか解らないけど…)



今週のスペシャリテコースご予約の皆様お楽しみ


貧弱blog見てるか解らないけど…



合わせるなら15年ほど熟成した大樽の熟成香がまだ弱いバローロなんかが私は良いな 好きなのは6万円くらいはするけど…


お手頃なところならモンキエロの10年熟成さたロエロとかでも有り あれは本当に優秀




チャオ