アドベンチャーマウンテン妙義山・石門コースは遊園地のアトラクションよりスリリング! | サラリーマンおやじのさえずり小鳥っぷ(小旅行)

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秋の紅葉シーズンも終盤、上毛三山のうち赤城、榛名はピークを過ぎ、かろうじて妙義山が残っているとのことで妻が実家に行っていることもあり秋の紅葉を目的に群馬県妙義山を目指したのです。ご当地かるたの上毛かるたでは“も”は『紅葉に映える妙義山』と詠まれています。上信越道で最寄のIC松井田妙義で下り、上毛三山パノラマ街道(県道196)を走っていきます。漫画『頭文字(イニシャル)D』のモデルにもなったクネクネした峠道です。

 

群馬県南西部、昔は西上州と呼ばれた山域のシンボルともいえるのが妙義山です。白雲山、金洞山、金鶏山の三山からなり、過去に火山活動の記録はないものの山体は火砕岩の一種でもろく浸食されやすい凝灰角礫岩で山容は非常に厳しく、鋭く尖った山姿のみならず、大絶壁や石門群、大砲岩等、奇岩奇石が林立するのが特徴で、大自然の造形美は見事です。三千年前縄文人が神の山と崇めた信仰の山で上毛三山の一つに数えられ、まるで中国の水墨画のような姿と深い森、そして自然の営みを感じさせる妙義山の代表的なモニュメント「石門」があり、岩肌がはっきり見える姿に圧倒される日本三奇勝のひとつでもあります。(耶馬渓・寒霞渓・妙義山)

 

 

石門群と呼ばれる大きな浸食穴をもつ岩が4つ存在します。その桁外れの大きさの石門を巡る登山道が魅力で、表妙義の妙義神社から中之嶽神社まで結んで妙義山の山腹を横切る「中間道」と呼ばれるトレッキングルートがあります。登山道の途中には、鎖場や鉄階段、石の庇なども登場します。両手両足をフルに使って登山道をつき進んでいく感覚は、日常から解放され、その懐に飛び込むために神経が研ぎ澄まされ、大冒険をしている気分に酔いしれる楽しいものです。ルートはきちんと整備されていて、初心者でも楽しめ、ただ歩くだけではないちょっとスリリングな冒険心をくすぐるアドベンチャーマウンテン妙義山に挑戦です。今回は中間道のうち、本読みの僧の先、タルワキ沢入口と妙義神社方面へ第二見晴の間が崩落しており石門めぐりコースを歩きます。

 

 

中之嶽神社の入口前にある県立妙義公園駐車場(トイレも完備し400台駐車可能)に車をとめます。

 

 

ここから400m、5分ほど県道196号を下った左手(山側)先に「名勝 石門群登山道」と書かれた階段の入口が見えてきます。この妙義登山道入口から本格的な登山道へと出発します。(入口前にあるさくらの里駐車場は9時から開門になります)道路沿いでわかりやすくここから約2時間半のアドベンチャーへGO!案内図で石門の位置をチェックします。

 

 

道路の反対側からは金鶏山のピークのひとつ筆頭山が望めます。妙義を作る火山の吹き出し口だったとされ、この岩山に1912年イギリスの登山家ウォルター・ウェストンがザイルを使って初めて登頂したことから妙義山は近代登山発祥の地といわれています。(現在では筆頭山へは登れません)

 

 

歩き始めてすぐにまずは鎖場に慣れるためなのか「カニのこてしらべ」に出会います。身長より少し高いぐらいの鎖場で、軽くウォーミングアップ程度ですがこの先の冒険心をくすぐります。初めてであれば少しびっくりしますが、実際に鎖につかまって登れば、岩の上で足の置き場には窪みがあり初心者でも難なく登れます。無理な人には横から迂回ルートがあります。

 

 

大きな岩を敷き詰めた石畳の道をすこし進むと下の分岐に、ここを左手にとり第一石門に向かいます。第一石門の先、第二石門は石門巡り一番の難関なので自信がない人、特に腕力に自信のない人は、第一石門を見てここまで戻り、右手方向へ第四石門・大砲岩への近道に向かい鎖場を迂回することになります。

 

 

目に入ってくるのが「第一石門」です。大きなアーチ状の岩で見上げると地面が見えなくなる程の大きさに驚かされます。その下はくぐれるようになっていて普通の登山道が続いています。

 

石門の奥には昭和29年7月に柴垣はるさんという人がこの付近の土地を県に寄付したことから県立公園として妙義山が整備されたという経緯を説明した石碑があります。

 

 

驚きが醒めぬまま整備された登山道を進むと上部にそそり立った岩に縦に細長く穴が開いた第二石門が見えます。

 

 

「カニのよこばい」「たてばり」「つるべさがり」と呼ばれる鎖場があらわれる「第二石門」をくぐるためのこのコース最大の難所です。切り立った地形ゆえに高度感はあるものの足場も鎖もきちんと整備されているので実は難なく通過することができます。第二石門下の「カニのよこばい」は、10mほどトラバースしていくのですが谷側の傾斜も緩く、足を置くところにはほとんど窪みがつけられていて、足跡を辿っていけばすんなり通過できます。

 

 

終了地点から一番の難所「たてばり」が始まります。樋状になった中央に鎖が設置されていて、樋をまたいで左右の岩に足を架けるところがたくさんあるのでちょっと腕力が必要ですが、しっかり鎖をもって足を岩に引っ掛けて一歩ずつ確実に上っていきます。ここまで第一石門から10分で到着です。

 

 

石門から見える景色は額縁のようでローソク岩が綺麗にそのシルエットを浮かぶ上がらせています。

 

 

第二石門をくぐれば、上りがあればば下りがあるように約8mの鎖場「つるべさがり」と呼ばれる下り斜面がまっています。しっかりと鎖を持って、足から下りていきます。ほとんど鎖にぶら下がった状態でゆっくり真下に下りていきます。

 

 

鎖場のポイントは両手両足を使い必ず全身でバランスを取ることです。急に見える鎖場もふと下を見て怖くなっても慌てずに必ず鎖を持って片足をどこかに引っ掛けていれば大丈夫です。二通りのルートがあり、トラバースしながらの下降とそのまま直に下降するルートがありますが、後者(左の壁側)のほうがやや楽なように感じられます。写真は反対側から見たもので自然のアスレチックです。

 

 

 

第二石門をくぐり振り返ると小さな穴が縦に割れているのが見えます。

 

さらに「片手さがり」をおります。写真だとわかりづらいですが結構な高さがあり、岩の階段があるので片手だけで下れそうですが実際はしっかりと両手で鎖を持って下りていくます。

 

 

これまでの難所を通らずに行けるさきほどの迂回路と合流します。

 

 

大砲岩方面に向かって登っていくと見えてくるのが石門群の中でも目玉とも言える「第四石門」です。途中「第三石門」へ向かう「上の分岐」がありますが左手奥に3分、20mほど先の石門で行き止まりですので一見したら戻ってきましょう。途中鎖場のトラバースがありますが問題ありません。

 

 

上の分岐から2、3分のところに第四石門があります。細長くアーチ状になっていて、大きな穴の向こうには、まるで宙に向けられた大砲のような形の、その名も「大砲岩」が見えます。自然が作りだした造形にこれが妙義山かと見入ってしまいます。前の広場には東屋やテーブルもあり休憩できます

 

石門の右手の断崖からからの景色は「日暮(ひぐらし)の景」と呼ばれ、一日みていても飽きないことからこう呼ばれています。

 

 

大砲岩に登っている人影が見えますがこれからそこを目指します。

 

 

石門をくぐり「大砲岩」への分岐に出ます。ここからは本来のハイキングコースではなく、鎖場の連続で岩場つたいになりますので滑落しないように十分に気を付けて無理をせず進んでいきます。

 

 

鉄柵やロープをつたって短い痩せ尾根を進みます。

 

 

鎖場で5mほど真下に一旦下ります。しっかり鎖を持ち足場を確保してゆっくり下りて行きます。

 

 

鞍部からの登り返しは第二石門と同様に斜面を急な岩場に付けられた鎖を頼りにトラバースしていきます。足跡がついた窪みがあるので鎖を持っていれば大丈夫ですが油断は禁物です。

 

 

さらに少し先の鎖場から5mほど岩場をよじ登っていきます。高度感が半端ではないので無理はしないようにします。登りきったところがテラス(といっても両側は崖です)になったところで一息つけます。

 

 

大砲岩が目前にあり、その奥にはゆるぎ岩がそびえたっています。

 

 

大砲岩へ登ることができますが、今回は砲台どまりでギブで「第四石門」が見下ろせます。

 

 

正面には「天狗のひょうてい」と呼ばれる展望台のような岩が見えます。かなり細い岩場道を進んだ先の3mほどの垂直の岩壁を登るこの鎖場は難易度が高い所です。無理は禁物です。

 

 

岩上からの眺めは絶景で大砲岩やゆるぎ岩などが目前に見えますよ。

 

 

白雲山方面もバッチリです。

 

 

また左手には「胎内くぐり」があります。岩の真ん中に穴が開いていてくぐることができます。どちらも高度感が高いので無理は禁物ですよ。胎内くぐりの看板のちょっと先に穴が空いているのですが、それがわかるように撮れる場所まで怖くて進めません。

 

 

危険ゾーンから大砲岩との分岐まで戻り妙義神社を目指しトレッキングルートを山腹に沿って歩いていきます。全行程を辿る時間がない時はここまでの往復だけでもかなり楽しめますので片手さがりの手前の分岐までもどり下って出発地点に戻ります。

 

 

帰りは違ったコースで下山という場合は第四石門の東屋まで戻り、中之嶽神社方面を目指し階段を上ります。ここから先は途中言い訳程度の鎖場もありますが道の整備状況が良く歩きやすくなっています。

 

 

出発して20分、260mほどで見晴台と書かれた案内板があり、

 

少し奥に入ると見晴台には2つの岩があります。

 

 

手前の岩は足場もあって上に登ることが可能で、奥の岩には小さな祠があります。

 

 

手すりなどはないので恐る恐る登ってみると眼下には絶景が広がっています。見下ろすと高度感が凄く、思わず気分が高揚しますが、岩場での行動は慎重にです。15分ほど歩くと中之嶽神社の裏手に出ます。

 

 

 

到着地点の「中之嶽神社」は1000年以上の歴史を持ち、本殿を持たず「轟岩」を御神体として祀っています。なので拝殿と幣殿のみで本殿を持たず、幣殿が岩に突き刺さるように設けられています。

 

 

そこから145段、斜度40°の長い階段を下りていきます。

 

 

大黒神社や黄金の大黒天像があります。

 

 

一般的に大黒天は木槌を持っていることが多いが、高さ20m、重さ8.5tの巨大な黄金剣を持つだいこく様が特徴的で、県立妙義公園駐車場からも鳥居の向こうにある黄金に輝く巨大な大黒天像は見つけやすく目印になります。ここが石門めぐりコース(1時間~1時間半コース)の終着点です。

 

 

休憩時間を除けば役1時間で一回りすることができる気軽に楽しめるコースです。(大砲岩方面の鎖場は除く)見どころも5~10分おきに次々と現れ、鎖場のように妙義山の険しさの一端も感じることができつつ、整備された道標に従って進めば鎖場を通らずに一回りすることもできるバランスのよいコースです。