中国で携帯電話は誰にとっても必需品と言える。日本でも世界でも携帯電話を持っていない人の方が今では珍しいぐらいだが、その点は中国でも状況は全く変わらない。とはいえ、中国で携帯電話を持っていないと圧倒的に不利な幾つかの特殊な事情が確かに存在する。簡単に言うと、携帯(電話)で話して解決してしまうようなシーンが非常に多い。



そんなの日本だって同じだと思われるかもしれないが、たとえばタクシーを呼ぶのに相手の携帯に一報するなりメールをしたりするようなシチュエーションは日本では珍しいのではないか。水回りのトラブル等で修理の人の携帯に一報を入れたりメールをしたりするのもそうで、サービスを提供する側の携帯の活用度は日本のそれとは比べ物にならない。この場合、携帯電話を持っていない(番号を教えたがらない)ような人は圧倒的に不利で、顧客が奪われるのみならず、そもそも顧客がつきようがない。

これは顧客つまり我々サービスを利用する側もそうで、携帯で前もって話をするなりメールを入れるなりしていないばっかりに機会を逃したり商品を買いそびれたりということがかなり頻繁に生じる。ネットで買い物をしているのに、先方の携帯に品物があるかどうかをわざわざ電話で確認するのも中国ならではの特殊なシチュエーションだ。

QQ(スカイプのようなチャットアプリ)等で確認してもいいのだが、チャットの場合は相手がロボットで自動応答ということも多く、携帯の方が早くて確実なのだ。この、日本の十倍の人口を擁する国でネットショッピングをするというのがどういうことなのかは、こちらで生活してみないことにはなかなか分かりにくかろうと思う。さっきまで目の前にあった商品が、数分後にはもうそこにないということがザラにある。

もう既にお気付きかもしれないが、話して解決というシーンが多い以上、中国語を話せない人間は中国では圧倒的に不利だと言わなければならない。だがそういう人も携帯さえあれば何とかなる。ショートメッセージを中国語で打てるかもしれず、そうでなくとも日本語通訳サービスを利用できる。聞けば既にそういうサービスやアプリが中国では今かなり熱いという。そう、中国では携帯電話が売り手にも買い手にも、そして外国人にとっても必需品なのだ。