自分のしょぼい自作ラックの中に
あまりに分不相応なDACが収まり一年を少し超えました。
途方も無い存在ながら1988年生まれという
デジタル機器としては古い部類に入ってしまう存在でだからこそ購入出来ましたが
今時のDACと比べての実力というのはどうなんだろう?
という思いも有りながらもだからと言って新しいDACを
考える事もなくこの一年を過ごし
すっかり自分の物として馴染んだ今の状態で久しぶりに記事にしてみるのも有りかな?
と思いついてみました。
とは言え別のDACと聴き比べてみるような環境もなく、
またわざわざX-30やL-D1単体の音と聴き比べてみる事もなく
それで一体何を書くのかと言えば
答に困りますが通勤、帰宅の電車での暇つぶしを兼ねて
ダラダラと書いてみます。
さてこのDACは本来はペアになるCDトランスポートDP-07と言う物が存在していて
このDACを購入するときにちょっとタイミングを誤り逃してしまいましたが
上手く行けばペア購入のチャンスは有ったのです。
(もっともお財布は許可しなかったでしょうが…)
その後は縁もなく、また置き場所や今後のメンテナンスの関係で仮に買える状態になっても
実際に購入することはもう無いだろと思いつつ
それでも高級トランスポートに対する憧れは有り
アキュフェーズのDP-90辺りが買える値段で出から
繋いでみたいなっと思ってみたりもしています。
デビュー時80万の価格にオプチカル、コアキシャルそれぞれ3系統
合計6個の入力端子を持ち、アナログ出力も固定と可変の2系統を備えながら
何故かリモコン操作は未対応でそのコントロールは全て本体の更にカバーに
仕舞われた小さなスイッチ類でイチイチ行わなければなないと言う
非常に使い勝手が少々悪いDACで
以前使っていたESOTRICのD-2はリモコン操作で各種切り替えが出来るその使い勝手を
一度覚えてしまってからはかなり面倒臭さを感じてしまいます。
またそのカバーのヒンジ等の強度がさほど有るわけでなく
移動時にその部分を持って動かすと自重で変形し
カバーが綺麗に閉まらなくなりやすいとお店の人に忠告されましたが
移動時つい手を掛けやすい場所だったりもするので
あえてその場所を持たずに27kgの筐体をラックに出し入れするのは
少々面倒あり、正直一度ラックに納めたら出したくない存在の筆頭だったりします。
気合いだけが先走り製品としての完成度に少々疑問を感じる
何処か間の抜けた所があり、スイッチ類を隠すカバーもそういった部類の一つと言え
入力が豊富であれば当然セレクターの使用頻度は上がる可能性は高く
リモコン化によるネガティブな部分を嫌って本体操作のみに
特化させたのであればパネルの中に全てを仕舞うのではなく
デザイン良くツマミ類を配置するのも手だったと思うのですが
見た目の高級感にこだわり過ぎ使い勝手は二の次に
なってしまった様な感じはバブル期のハイソカーの内装に通じる物を感じてしまいます。
またセレクターその物はかなり良いものを使ってカッチリ感はありますが
ツマミが小さすぎてカッチリではなく固い操作感も閉口もので
入力が沢山有りながらその複数接続を嫌がっているようにしか思えなかったりします。
また電源スイッチの質感は非常に悪く
全く高級感が伝わらないのもある意味凄いです。
これは電源スイッチ自体を電源ケーブル近くに設置するために
リンクを介して作動させているからですが
通常似た事を行っている製品の電源スイッチのリンクはゴツい樹脂製を
使い方操作感はしっかりした感じにしてあるのに対し
DA-07はベルト状のリンクで他の部品類の邪魔に成らないように筐体端を通る様に
這わせて電源スイッチに繋がれている関係で
操作感がフニャとした感じになってしまっているのです。
このDACで一番故障確率が高そうなのはこの電源スイッチのリンク部のような気が
個人的にはしていますが今のところは問題なく動作しているのでまあ大丈夫なのでしょう。
さてこのDACのそれ以外の感想と言えば
オプチカル入力とコアキシャル入力においての音質差が以外に少ない気が個人的にはしています。
今までCD-17Daのデジタル入力やD-2ではかなりハッキリとオプチカル入力は情報量が
少なくなっていると感じていて正直余り使う気に成れませんでしたが
DA-07は多少の物寂しさは有りながらもオプチカルでは聴けないと思う程
ではなく実用に耐えるレベルの音は確保しているように感じます。
これは多分にDA-07の音の個性が強くて多少のハンデは
カバー出来てしまうからだと言えると思いますが
では音の違いは出難いDACかと言えばそうではなく
十分ケーブルの違いが音に出ますし送り出し側の個性はきちんと表れて
好みで再生機器を変える楽しみは十分あります。
X-30で再生すれば音が前に迫り出す感じで
iPodだと少々後ろに下がり気味で横に広い感じがする
L-D1だとiPodから少し情報を間引いた感じでそれが逆に
聴きやすかったりするといった変化を楽しめますが
だからこそセレクターの使い勝手の悪さには苦笑いしか出来なかったりします。
聴いていて何か引っ掛かる感じはなく耳に刺さる様な音もまず出さず
だからこそ音がナローレンジな気もしちゃいますが
じっくり聴くと自分の環境であれば十分なワイドレンジな音で
今の状態だとiPod音源の音をしばらく聴いてからレコードを再生すると
レコードの音の方が何かデジタルぽく感じてしまう事すらあります。
もっとも定位等はレコードではどうしても少々曖昧な感じがしてしまい
その上で音に荒さを感じてしまうのですから最近は
レコード盤を取り出す頻度は低くなる一方なので
ここらで一度アナログを見直す時期に来たのかも知れません。
逆に言えばDA-07を中心としたデジタル機器の構成は
ある程度満足いく状態になっていると言えるので
アナログに少々のめり込める余裕が出来たとも言えますが
自分自身の体調が宜しくなく毎日残業まで身体が持たず
定時で帰り早く寝る事で何とか働いている状態では
到底アナログ環境の見直しの気力が沸く事もなく
その作業は当分行えそうにありません。
まあ4312でバイオリン協奏曲を聴いて
ソリストのバイオリンとオーケストラのバイオリンが
曖昧に成りにくく聴き分ける事が出来る状態にある今のiPod音源で
ただ聴く専門の楽しみを満喫して
気力が再び沸いて来たら次のステップとしてアナログ環境を見直す事にしようと思っています。