「バンドを続けるモチベーションは何ですか」

と今回の打ち上げで聞かれた。その場では答えることができなかったが,今回の企画こそが,自分のバンドを続けているモチベーションの一つだと思った。

 

自分の好きな音楽を生で聴き,そしてそれを好きなバンド同士で共有する。

人間は言葉だけでコミュニケーションを取ることは難しい。言葉だけでなく,その音、ステージに立つその姿こそが何かを伝えるものであると思う。だからこそ,こうして企画を立ち上げ,自分が好きな人たちが鳴らす音楽を聴いてみたい,そして聴いてほしいと思うのだ。

 

ましてや愛知教育大学という我々が4年間をすごした大学に縁をもつメンバーとの対バン,大学という目に見えないつながりをライブハウスという空間がつないでくれているのだと思った。

 

リハの段階から数バンドは酒に溺れ,リハの終盤にはフロアで寝転ぶ人間が誕生するという惨状からこの企画は始まったのだが,この後の熱量を考えるとそれもまた一興だ。

 

出演した9バンドは本当に素敵な演奏だった。

 

フナイアツシ…ボーカルの美月ちゃんと連絡を取り,この3か月間走り抜いてきた。2バンド掛け持ちをすることは大変だったが,やって良かったと本当に思う。おたにちゃんは曲全体を俯瞰してしっかりまとめてくれるし,ギターの宮田氏は久しぶりにバンドを組むということだったが,やはりかつて切磋琢磨した同級生と一緒にここにきてバンドを組めるというのはとても嬉しい。そして,美月ちゃんは素敵なボーカリストだった。力強くもキュートな歌声はこれから弾き語りで存分に発揮していってほしい。もちろんCDは買った。

 

南凪イル…機材トラブルに見舞われてしまい,1曲しか披露できなかったが,メンバー一人一人のポテンシャルの高さをとても感じた。リーダーの大杉君が「曲削ります」と決断したとき,とても悔しかったろうなぁ。今度何かの機会に出演できるのであれば,ぜひとも出演してほしい。曲はキャッチーでノリやすいので,万全の状態で機材トラブルの際にトークで間をつないだのだが,我ながら中々に仕事ができたと思う。日頃ラジオを聴いたり仕事で人前で喋っている成果が出たのだろうか。

 

tax bank children…我々の企画には必ず出演してくれている戦友であり素敵な兄貴分。今回は共作の「nomen」を初めて披露した。2020年にこの曲は録音されたのだが,この舞台でようやく日の目を見ることができた。この曲は録音の際に自分がボーカルでかなり足を引っ張った。今回のステージで少しでも恩返しができただろうか。もちろん4人でのステージも圧巻。規制が緩くなったこともあって,久しぶりに縦横無尽に駆け回る姿を観る事ができた。やはり彼らはカッコイイ。

 

トクシカ…我らがギターのマスダがボーカルとして率いるヨルシカのコピー。10才近くも年齢の違うメンバーを率いてのステージング,彼の人間力,バンドとしての求心力やバンドに対しての頑張りを強く感じた。学生時代以来聴くマスダのボーカルはハイトーンが良く伸びていてセクシー。あの声は自分には出せない。今回だけの特別企画だと話していたが,またどこかで観てみたい。

 

monoHz…演奏終了後,キーボードのやっすんに「どうして出てくれたんだ」と言ってしまうほど,この場に不似合いなほど爽やかな風を吹き込んでくれた。毎週栄で路上をやっている地肩の強さはすごかった。ヨコノリでフロア全体を巻き込むステージングは自分たちも見習わないといけない。曲のキャッチーさ,メンバー一人一人の技量の高さ,度肝を抜かれた。来月はell.fit`s allでやるらしい。自分は行くことができないので,音源を購入した。是非ともこれから名古屋に名を轟かせてほしい。

 

Oi stars…岐阜からやってきたオイオイ言っている兄貴たち。やはり拳を突き上げることはエネルギーの交感につながる。8ビートは人間のビートを熱くする。今まで積み重ねてきたステージング,そして生きてきた人生の年輪。そんなものが熱量になって放出される。自分はこれから10年後,あの熱量を出すことができるだろうか。そして何よりも昼間っからお酒を浴びるように飲んでいる。自分にはできない。

 

オレンジクルー…音を楽しむというのは彼らのためにあるのかもしれない。学生時代はかかわりが薄くとも,社会人になっていろいろな曲を練習して,一つの節目としてこの場で演奏してくれた。音楽を続けるに際してとても健全な姿だと思う。その場に立ち会えてとても嬉しい。ひなこ嬢は可愛らしいのに芯の強さを感じるから好きだ。ベースの子がとてもデカい。もちろんデカいだけでなく,安定感がすごい。

 

Under the typhoon…このバンドを待っていた。ライブは7年ぶりと言っていただけあって,演奏前の彼らはひたすらに酒を飲んでいた。ギターのトヤ君は飲み過ぎてライブが始まってからはもう車で寝ていた。それなのにギターを持つとロックスターになれるのはさすがだ。曲の大半が局部を歌った歌なのだが,どの曲もメロがキャッチーなので口ずさんでしまうのが悔しい。名曲「蟹江」はやっぱりエモーショナルになってしまう。

 

Trio de guess…最早これだけ素敵なイベントだったので,もう言うことはないだろうと思う。イベントではしゃぎすぎたのでボーカルがグダグダだったのは認める。しかし,10年間しっかりと続けてきたバンド内の信頼感はすごい。演奏はトリに相応しいものだったと自覚している。イントロを久しぶりにやったが,前よりもガッチリできたと思う。

 

 

 

これだけのメンバーとライブができて一番の幸せ者は自分だ。

バンドを続ける意味は,こうして楽しい仲間たちと最高のライブをするのことなんだろうと思う。

前回の企画に出てくれた人たちの半分はもう音楽活動をしていない。

今は音楽活動を継続することがとても難しい。現役の軽音部部員も,社会人も。

 

 

だからこそ,我々は続けることをやめない。

今目の前で鳴らされている音に,ロックンロールは宿るのだから。