✨わらこ精霊 秋だより編 〜静かな港町の午後〜
春霞つぐみ(釧路・くしろ) はるがすみ つぐみ 中1
🎵 33. 制服スパイラル文化祭 (V4 Special Version)
日常の一瞬が、歌になる。
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🌅 朝
釧路の朝は霧が少し残っていて、街をふんわりと包んでいた。
「今日は、見えるね……」
友達と一緒に登校しながら、遠くにうっすらと港が見えるのを指さす。
「え、これで見えるの?さすがつぐみ!」と笑われて、私は小さく笑った。
霧に包まれた景色は、私にとっては当たり前の日常。
でも、それを友達と一緒に「共有できる瞬間」は特別に感じる。
「つぐみは霧マスターだね!」と冗談を言われて、またみんなで笑う。
ほんの小さな会話なのに、朝の空気がやさしく広がっていく。
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📖 午前の授業
音楽の授業で合唱の練習。
声を合わせるとき、私は隣の子の声に耳を澄ませた。
「つぐみの声、やさしいね」
「……ありがとう」
一言だけ答えると、クラスの空気がふんわりやわらかくなった気がした。
歌声が重なり合う瞬間、霧の中から光が差し込むような感覚がして、胸がほんのり温かくなる。
すると後ろの席の子が、「霧声〜!」と茶化してきて、教室が少し笑いに包まれた。
私は慌てて「そんなことないよ……」と赤くなりながら返す。
でも、そんなやりとりすらも楽しくて、胸の奥にやわらかい余韻が残った。
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🍴 給食
今日のメニューはスパゲッティナポリタン🍝、牛乳🥛、サラダ🥗。
「わ、赤い!」とクラスの誰かが声を上げると、自然に笑いが広がった。
私はフォークをくるくる回しながら一口食べて、「……甘いトマトの味」とぽつり。
「なんか詩人っぽい〜!」と笑われて、少し照れくさくなる。
別の子が「詩人つぐみ先生の一句です!」と大げさに言って、また教室が笑いに包まれた。
「もう〜やめてよ〜」と小声で返すと、「その反応が一番詩人だよ!」と返され、ますます恥ずかしくなる。
けれど、ナポリタンの素朴な味が霧の街によく似合っている気がして、心が満たされた。
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🎤 放課後のレッスン
練習室で歌っていると、今日の霧やナポリタンの味がふと頭に浮かんだ。
「つぐみの声、あったかいな」
仲間にそう言われて、私はただ「そうかな……」と返す。
すると別の子が「それ、ナポリタン効果だよ!」と茶化して、みんなで大笑い。
私は思わず「じゃあ、毎日食べなきゃだめだね……」とつぶやいた。
笑い声と歌声が混じり合って、練習室の空気までやさしく温まっていく気がした。
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🌆 夕暮れ〜下校
釧路の港に夕陽が沈んで、霧がオレンジ色に染まっていた。
「今日の霧、きれいだね」
友達がそうつぶやいて、私は「……うん」と小さく答える。
すると別の子が「ナポリタン色の霧だ!」と笑って、みんなでまたクスクス。
朝の景色も、給食の赤い色も、歌声も、全部つながっていくみたいで、心があったかくなる。
一日の景色や声が、すべて歌につながっていく。
ノートの端に“夕暮れの霧は、あたたかい色”と書き込んで、家路についた。
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✨——静かな港町の霧も、クラスの笑い声も。
その全部が、わたしの歌になる。
明日もまた、釧路の空の下で声を届けたい。
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