✨わらこ精霊 夏だより2《合宿編》弓月すなお(帯広)「願いごとって、言ってもいいんだ」
2025年8月7日(木)
── 願いごとを口にする勇気 ──
🎀オープニング曲:制服スパイラル
(ひとりの願いも、重なれば空に届く)
合宿7日目の朝。
**弓月すなお(帯広)**は、まだ静かな風灯の森の玄関先に立っていた。
昨日の雨で洗われた竹の葉が、朝の光を受けてしっとりと輝いている。
枝先には、もう何枚か短冊が揺れていて、その端に光が反射してきらきらと瞬いた。
手には白い短冊と細いペン。
でも、ペン先はまだ紙に触れない。
(願いを人に知られるの、ちょっと恥ずかしい…)
小さな不安が、指先を硬くしていた。
自分の本音を文字にすることは、心の奥を見せることに似ている。
それを人に見られるのは、すなおには勇気がいることだった。
午前はジェスチャーと感情表現のトレーニング。
「声にしない想いを、動きで表す」というテーマで、全員がペアになって演じ合う。
すなおの相手は、明るい笑顔の子。
「はい、手を出して」
差し出された手を、すなおは少し迷いながら握る。
その手は思った以上に温かく、握った瞬間、胸の奥の硬さが少し溶けた。
「願いも、こうやってつなぐと届きやすくなるんだよ」
相手のやわらかい声に、すなおは小さくうなずく。
言葉よりも先に、相手の気持ちが指先から伝わってくるようだった。
🫧 午後は森の広場で七夕まつりイベント。
長い竹に色とりどりの短冊、金銀の折り紙で作られた星形の飾り、
紙灯篭や提灯づくりのテーブルが並び、あたりはにぎやかな笑い声で満ちている。
風に揺れる飾りの音が、まるで鈴のように心地よく響いた。
すなおは机の端で短冊を取り出し、深呼吸してからペンを走らせた。
──「また来年も、みんなで笑えますように」
その言葉を書き終え、竹の枝に結びつけた瞬間、胸の奥にあった重たい石がすっと軽くなった。
夕方、空が藍色に変わるころ、提灯のあかりが一斉に灯る。
淡い光が竹の葉を透かし、風に合わせて揺れていた。
見上げると、東の空にひとつ、またひとつ星が生まれていく。
「…言ってよかった」
小さくこぼれた声は、夜風に溶けて竹の葉を揺らし、
それを聞いた仲間が、そっとすなおの肩に手を置いた。
その夜、短冊に込めた願いは、星空のどこかへと静かに旅立っていった。
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🎵エンディング曲:
「君とまた、光の湖〜花火のあとで」
(願いが叶う夜は、きっとまた会える夜)
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📸 次回予告:
《第8日目・8月8日(金)》楓野あい(北見)
「迷いながらでも、咲く勇気」






