主日の聖書 旧約聖書 歴代誌下36章14〜16節、19〜23節 | 生き続けることば

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新旧約聖書の言葉をご紹介する他、折に触れて宗教関連書、哲学書、その他の人文系書籍、雑誌記事の読後感などを投稿いたします。なお、本ブログ及び管理者は旧統一教会、エホバの証人、モルモン教等とは一切、関係がありません。

【中心聖句】

あなたたちの中で主の民に属する者はだれでも、上って行くがよい。神なる主がその者と共にいてくださるように(23節)

 

 

歴代誌は上・下に分かれていますが、上下合わせた全体の構成は次の通りです(雨宮慧『主日の聖書解説<B年>』p.56)

 

上1〜9章  系図と人名表によるアダムからダビデの時代

上10〜29章 ダビデの時代

下1〜9章  ソロモンの時代

下10〜36章 ダビデの時代

 

雨宮神父によれば、本書はバビロン捕囚を経験した人々によってサムエル記や列王記を資料に用いBCE5世紀後半〜4世紀に書かれたものです(同上)

 

本書に付いては別の資料では歴代誌エズラ書およびネヘミヤ書と同一記者によってBCE300〜250年の間に編集されたという説もあります(『口語 旧約聖書略解』p.390)

 

興味深いのは、私たちが日ごろ親しんでいる聖書で本書は列王記下の後、旧約聖書全体では前半の最後あたりに置かれていますが、ヘブライ聖書タナハתּוֹרָהの諸書כתוביםの一番最後つまり全体の一番最後に置かれていることです。これは諸書の中でも最後に正典に入れられたためと考えられています。

 

今日の朗読箇所には南ユダ王国の腐敗・堕落に怒った神が神殿を壊し生き残った者たちはバビロンに連れ去られたと書かれています。

 

ユダ王国の民にとっては実に不幸な出来事であったはずですが、それはむしろ「この地はついに安息を取り戻した。その荒廃の全期間を通じて地は安息を得」た時期であったというのです(21節)

 

バビロンに捕囚された民はペルシャ王キュロスの勅令によって帰還を許されますが、約束の地に帰った今こそ神の指示に生きるべき時なのです(雨宮慧『主日の聖書解説<B年>』p.57)