クリスマス企画 批評 田中委員 TO 覚醒カレー粉
「クリスマス企画の締めとして、互いの作品を批評したいと思います!」というメールをきなこ氏からもらったのは、確かまだ2016年のことだったと思う。この2か月余り、すっかり忘れてしまっていた。神崎先生のそれを見て思い出して、今こうしてキーボードを打っているわけだが、メールで「批評」を頼まれたときは、少々面食らったことを思い出した。
「事物の善悪・優劣・是非などについて考え、評価すること。」と大辞林にはあるが、果たして私に人の作品を評価するなどできるだろうか。という考えが巡ったわけだ。私に分かるのは、おそらくまだカレー粉氏は『氷菓』を読んでいないだろうということだけだ。〈ひょうか〉だけに。
まあ、私はかれこれカレー粉氏とは4年くらいの付き合いになるので、多少雑な「批評」でも許されるだろう。「作者と交流があるから生まれる見方もあるよ。」と開き直っていこうと思う。
彼の作品『バカ女』を読んで、「ああ、やっぱり百合か。」と思った。その訳を語る前に、過去記事の『メンバーそれぞれから、皆様へ。覚醒カレー粉』を引用させていただきたい。
「女児と男児と中年のおっさんと百合男子を混ぜたセンスを持っている。ガンアクションや百合、SF、ロボット、バトロワ、仮面ライダー、虚淵作品、魔法少女、肉弾戦、武術作品などが好き。最近ハマっているアニメはプリパラ
自分の執筆する作品はおそらく百合作品や、バイオレンスアクションものなど、百合と戦闘の両立を目指した作品を目指しています。」
この短い文章の中に、「百合」という言葉は3回も出てきている。「ああ、やっぱり百合か。」の訳は語るまでもない。彼のガールズラブに懸ける想いがあふれ出ている。それだけでも濃いキャラクターの中に、さらに色々ぶち込んだわけで、結局この自己紹介はジャイアンカレー的なおぞましいオーラを放っているといえる。
少々脱線した。今回は自己紹介の批評でなく、作品の批評である。
私はこの作品、「短すぎる。もったいない」と思う。
キャラクターの背景や、物語の前後をもう少し書き込んでほしかったなあ。さっーっと終わってしまった。「説明的に過ぎる一人称」視点の物語進行、セリフを「~。」で終わらせることの多いことは、もはや彼の変な生真面目さが伝わる伝統芸能だから流すとして、せっかく彼は脳内に百合百合ランドを所有しているのだから、そこで生み出したものをもっと発信していいと思うのだ。今回は、クリスマスの告白シーンが描かれていたが、そこに至るには、きっと様々なドラマがあったはずなのだ。「男女の恋愛」という常識に葛藤するとか、どっちかが男から告白されるとか。むしろこういったアブノーマルな恋愛ものは、その過程にこそ面白みがあるのではないか。今『バカ女』にはそこの部分の面白みがない。いや、おそらくカレー粉氏の脳内百合百合ランドに存在しているのだろうけれども、文中に現れていない。加筆してくれないかなあ。