多数国間協定(Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent Base Erosion and Profit Shifting ("Multilateral Instrument" or "MLI"))の署名の際に提出された第2条(対象租税協定)に関する通告では、フィジーに対しては、1962年4月9日に署名された日英租税条約が適用されるとされています。
1962年に署名された日英租税条約(1962年条約)では、第22条に適用地域の拡大の規定を置いています。これは、英国の属領にも、1962年条約を適用するために設けられた規定です。第22条では、適用領域を拡大するためには、適用を開始する日、適用のための修正及び条件について両締約国が合意すること、及び、別段の合意がない限り1962年条約の終了により、その適用は終了することが規定されています。
この適用領域の拡大について、両締約国は、1969年9月25日に合意しています。この合意によれば、英領ヴァージン諸島、フィジー、 モントセラット及びセイシェルに1962年条約が適用され、フィジーについては、第6条(配当)及び第7条(利子)の規定は適用しないこととされています。また、外交上の経路を通じ適用の終了を通告することができることとされています。
同合意では、当時既に署名されていたされた新日英租税条約(1969年条約)の発効後に、上記地域に対して1969年条約を適用することに関し協議を行なうこととされていますが、この協議は行われていません。
その後、セイシェル、英領ヴァージン諸島及びモントセラットについては、適用の終了の通告が行われていますが、フィジーについては、その独立後も、適用の終了の通告は行われていません。
上記の経緯から、フィジーに関しては、1969年合意による1962年条約の拡大適用が現在も効力を有していることになります。