(13) 6部(仲裁)の規定の適用の選択(第18条)

 

我が国は、第6部(仲裁)の規定の適用を選択することを通告しています。

 

(14)  義務的かつ拘束力を有する仲裁(第19条)

 

19条では、第1項から第10項で、仲裁手続きを含めた仲裁規定を規定しています。ただし、我が国は、裁判所又は行政審判所が既に決定を行った場合に仲裁に付託されないこと、及び仲裁の要請後に裁判所又は行政審判所が既に決定を行った場合には仲裁は終了すること、を対象租税協定に適用する権利を留保しています。

 

(15)  仲裁手続の種類(第23条)

 

仲裁手続の方法には、仲裁人が独自に決定を行うアプローチと、権限のある当局がそれぞれ提示した解決案から仲裁委員会が選択するアプローチがあります。第23条第1項は、後者のアプローチを採用しています。我が国は、この規定を適用しない権利に留保を付しているため、第23条第2項の仲裁人が独自に決定を行うアプローチが適用されます。

 

(16) 6部(仲裁)の規定の適用対象(第26条)

 

1項は、第6部(仲裁)の規定の適用を選択した場合、仲裁規定を有する対象租税協定においてはその規定に代えて第6部の仲裁規定が適用され、仲裁規定を有しない対象租税協定においては第6部の仲裁規定が適用されることを規定しています。

 

我が国は、既に仲裁規定を有する対象租税協定(ドイツ、香港、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スウェーデン及び英国)に対しては、第6部の仲裁規定を適用しない権利を留保しています。

 

(17)  留保(第28条)

 

1(a)は、仲裁に付託することのできる事実の範囲について留保を付すことができることを規定しています。我が国は、個人以外の二重居住者の居住地国の決定は仲裁対象としないこととしています。

 

1(b)は、他の締約国が付した留保に対して異議を申し立てることができることを規定しています。留保に対して異議を申し立てた場合、両締約国の間では第6部の仲裁規定は全て適用されないことになります。我が国は、オーストラリア、カナダ、フィンランド、フランス、アイルランド、イタリア及びシンガポールの留保に対して異議を申し立てています。これらの国との間においては、第6部の規定の全てが適用されません。