(11) 相互協議手続の改善に関する規定(第16条)
第16条は、各租税条約の相互協議の規定を、BEPSプロジェクト行動 14の改正案を含めてOECDモデル租税条約第25条の条文に置き換えるための規定です。
第1項第1文は、BEPSプロジェクト行動 14の改正案を反映し、相互協議の申立てを居住地国だけでなく「いずれの」締約国に対しても行えることを規定しています。我が国は、全ての対象租税協定の規定が本規定の内容を含むことを通告しており、これらの租税条約の規定は第1項第1文と置き換わります。
第1項第2文は、相互協議の申立ては課税に係る措置の最初の通知の日から3年以内に行うことを規定しています。我が国は、3年より短い期限を設けている租税条約としてカナダとの租税条約を通告しており、カナダとの租税条約の第23条第1項第2文は第1項第2文に置き換わります。また、申立期間の規定する規定がないチェコ、フィンランド、フィジー、アイルランド、イタリア、ルーマニア、スロヴァキア及びトルコとの租税条約に、第1項第2文は適用されます。
第2項第2文は、成立した全ての合意は両締約国の法令上のいかなる期間制限にもかかわらず実施されなければならないことを規定しています。租税条約にこの規定を含まない又はこれと異なる規定を有する、カナダ、チェコ、フィジー、フィンランド、アイルランド、イタリア、メキシコ、ルーマニア、スロヴァキア及び英国との租税条約に第2項第2文が適用されます。
第3項第2文は、権限のある当局は、租税条約に定めのない二重課税を除去するため相互協議ができることを規定しています。我が国は、この内容を含まない租税条約としてフィジーとメキシコとの租税条約を通告しており、これらの租税条約に第3項第2文が適用されます。
(12) 対応的調整(第17条)
第17条第1項は、OECDモデル租税条約の第9条第2項の対応的調整の規定と同じ規定です。対象租税協定に対応的調整の規定がある場合には第17条第1項がその規定に置き換えられ、対応的調整の規定がない場合には第17条第1項が追加されます。
(つづく)