3. 第26条(情報交換)第2項のコメンタリーの改正

情報交換を含む税務当局間の協力を実行可能とするためには、それぞれの国が、受領した情報を秘密として取り扱うことが前提となります。そこで、第26条の第2項では、締約国が受領した情報は、締約国が国内法に基づいて入手した情報と同様に秘密として取り扱われることを規定しています。この守秘義務は、第1項に基づき受領する全ての種類の情報、つまり要請に含まれる情報及びその回答に含まれる情報全てに適用されます。2012年改正で、この守秘義務に関して、権限ある当局がやり取りするレターの取扱いが追加されました。

情報を要請するレターを含む権限ある当局のレターも、守秘義務規定の対象となります。それと同時に、被要請国は、情報を要請する権限ある当局のレターそのものは開示できないが、要請された情報を入手するのに必要な範囲で、最低限の情報は開示できると解されています。この点は、20137月に改正された「租税条約等に基づく相手国等との情報交換及び送達共助手続について(事務運営指針)」に反映されています。また、被要請国の裁判等でレターそのものの開示を求められた場合には、要請国が別段の定めをおかない限り、被要請国の権限ある当局は当該レターを開示することができます。


4. 26条(情報交換)第3項のコメンタリーの改正

3項は、被要請国が情報提供要請を拒否できる場合を示しています。a) 法令及び行政上の慣行に反する措置をとらないと情報が提供できない場合、b) 法令又は行政の通常の運営で情報が入手できない場合、c) 情報が営業上、事業上若しくはその他の秘密である場合、又は情報の開示が公の秩序に反する場合には、第1項の情報交換義務は解除されます。

(1)  相互主義の原則 

上記a) 及びb)は、相互主義の原則に基づいており、要請国がこれらの理由により提供できない情報については、被要請国も提供する必要はないとされています。しかし、一方の締約国が、国内の法令又は慣行においては通常想定されない措置をとり情報を提供する場合には、類似の情報を他方の締約国に要請することができることが、2012年改正で追加されました。

(2)  通常の運営で入手できる情報

上記b)に関連して、2012年改正で、通常の運営において入手することができるとみなされる事例を追加しています。

l 要請国が、ある納税者の税務調査に関連した情報提供を要請し、要請書で被要請国の役務提供者数社を特定し、その一つが情報を有していると思われる旨を記載している場合、被要請国は、これらの役務提供者の一つが情報を保有している限り当該情報を入手して提供することが期待されている。


                                                (続く)