20151217日、ドイツとの間の新租税条約が署名されました。 新租税条約は、旧条約をOECDモデル租税条約に沿って全面改正をするとともに、OECDモデル租税条約コメンタリーの解釈を条文又は議定書に取り込んだものとなっています。

主な改正点及び特徴として以下の点が挙げられます。

1. 第1条(対象となる者)

「課税上存在しない」団体又は仕組みが取得する所得については、団体等の居住地国において居住者の所得と取り扱われる場合には、居住者の所得とみなすとされています。



2. 2条(対象となる租税)


旧租税条約では、財産税を租税条約の対象としていましたが、新租税条約では、対象外とされました。これにあわせて、旧租税条約第22条のA(財産)の規定も削除されました。



3. 4条(居住者)


二重居住者の居住地国は、権限ある当局が協議により居住地国を決定することとされていますが、両締約国の権限のある当局による合意がない場合には、租税の減免を認めないこととしています。


居住者の判断基準である「租税を課されるべきもの」の解釈として、国内税法上の規定により一定の要件を満たす場合に免税とされる者も「課税を受けるべきもの」に該当することが議定書に明記されています。


4 第5条(恒久的施設)


旧租税条約では、恒久的施設とされない「準備的又は補助的な活動」に、「準備的又は補助的な活動を組み合わせた活動」が含まれていませんでしたが、新条約では追加されています。



5 第7条(事業利得)

 

2010年に改正されたOECDモデル租税条約の新第7条の規定が採用されています。さらに、コメンタリーに解説されている対応的調整の適用関係を、条文に追加しています。



6 第9条(関連企業)



対応的調整の規定を第2項に、更正の期限(10年)を第3項に追加しています。


7 第10条(配当)



親子間の判定の出資比率が10%に引き下げられ、一定の条件(持株割合25%以上・保有期間18月以上)を満たす親子間配当について源泉地国免税とされました。


また、不動産投資信託会社の配当には親子間配当の規定を適用しないことを議定書に明記しています。


(つづく)

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