8 第11条(利子)
金融機関等が受け取る利子に限らず、原則、すべての利子を源泉地国免税としています。ただし、免税の例外として、債務者の収入や所得、資産価値の変動又は支払配当を基礎として算定される利子については、限度税率で課税できることを議定書に規定しています。
9 第12条(使用料)
使用料について、源泉地国免税としています。
旧租税条約では、「産業上、商業上又は学術上の設備の使用又は使用の権利の対価 」を使用料に含めていましたが、新租税条約では使用料の定義から除外されました。
また、旧租税条約では、著作権等の譲渡から生じる収益のうち真正譲渡以外から生じる収益を使用料としていましたが、新租税条約からは削除されました。
10 第14条(給与所得)
旧租税条約では、短期滞在者の免税要件の183日を超えるか否かを暦年で判断していましたが、新租税条約では、OECDモデル租税条約と同じく、当該課税年度内に開始又は終了する12箇月の期間で判断することとされました。
11 第18条(政府職員)
旧租税条約でも、本条の適用対象を国又は地方政府若しくは地方公共団体の職員以外に適用対象を拡大していましたが、新条約ではその対象が変更されています。
12 第20条(その他所得)
その他所得の額が独立企業間価格を超える部分については、源泉地国に課税権を認める規定を追加しています。
13 第21条(特典を受ける権利)
限度税率の引下げ又は源泉地国免税が行われていることから、濫用防止の観点から、所定の要件を満たす適格者にのみ租税条約の特典を認める特典制限規定(LOB条項)が導入されています。
これに加えて、仕組み又は取引の主たる目的の1つが特典を享受することである場合には条約の特典を認めない規定を導入しています。
また、租税条約の規定はタックス・ヘイブン対策税制の適用を制限するものではないことを条文に明記しています。
さらに、OECDモデル租税条約第1条のコメンタリーの考え方に沿って、国外源泉所得が送金されず二重課税が発生しない場合にまで租税条約の特典を与えないよう、租税条約の特典の適用を送金済の課税対象部分に限定することを議定書に規定しています。
(つづく)
- 2014OECDモデル租税条約コメンタリー逐条解説/税務研究会出版局
- ¥4,536
- Amazon.co.jp