6. 第8条(国際運輸業所得)

 

 2017年改正では、第1項が改正され、国際運輸業所得の排他的課税権を企業の居住地国に与えています。さらに、第2項の内陸水路運輸の規定が削除されました。これに伴い、従来の第3項が第2項とされています。この改正は、2014年に公表された第1作業部会の改正案 に基づいています。

 

 この改正に関連して、第3条第1項e)、第6条第2項、第13条第3項、第15条第3項及び第22条第3項の条文及びコメンタリーが改正されています。

 

7. 第9条(特殊関連企業)

 

 第2項のコメンタリーに、特殊関連者との取引に係る利得について、納税者が独立企業原則に従って自発的に調整を行った場合に生じる二重課税についても相互協議の機会を認めることが追加されました。これは、BEPSプロジェクトの行動 14の最終報告書 の結論に基づいています。

 

8. 第10条(配当)

 

 2017年改正で、第10条第2項a)の条文に、親子間配当の要件として365日の保有期間が追加されました。これは、BEPSプロジェクトの行動 6に基づいています。

 

 また、第2項a) から、法人として取り扱われるパートナーシップを考慮に入れ、「パートナーシップを除く」のかっこ書が削除されています。

 

9. 第13条(譲渡所得)

 

 第3項で、国際運輸に運用される船舶又は航空機等の譲渡から生じる収益は、企業の居住地国でみ課税できることに変更されました。

 

 第4項は、譲渡に先立つ365日の期間のいずれかの時点において不動産化体株式とされる場合には本項の対象となるよう改正されました。これは、BEPSプロジェクトの行動 6の最終報告書の結論に基づいています 。また、株式だけでなく組合又は信託財産の持分(同等の持分)も第4項の対象とすることとされました。