BEPSのAction6(租税条約の濫用防止)では、税源浸食の最も重要な原因の一つである条約の濫用、特にトリーティ・ショッピングについて議論し、以下の規定をOECDモデル租税条約に含めることを勧告しています。
● 特典制限規定(Limitation on Benefit、LOB):一定の条件を満たす主体にのみ租税条約の特典を認める個別的濫用防止規定(specific anti-abuse rule)
● 主要目的テスト(Principal Purpose Test、PPT):租税条約の特典を得ることが取引又は仕組みの主たる目的である場合には租税条約の特典を認めない一般的濫用防止規定(general anti-abuse rule)
これらの規定は、次回OECDモデル租税条約の改正で、新たな条として条文に追加される予定です。これらの条文のコメンタリーも追加されますので、我が国が締結した租税条約に既に組み込まれている濫用防止規定を適用する際に参考となります。
我が国が締結した租税条約で採用されている濫用防止規定を整理すると、概ね次のように分類できます。
1. 特典制限規定(LOB)
2. 導管取引(back-to-back取引)に減免を認めない規定
3. 権利又は財産の設定又は移転の主目的が濫用目的である場合に減免を認めない規定
4. 仕組み又は取引の主目的が濫用目的である場合に減免を認めない規定
5. 租税負担が著しく低くなる場合に減免を認めない規定
6. その他の濫用防止規定
(つづく)