3.           権利又は財産の設定又は移転の主目的が濫用目的である場合に減免を認めない規定

2006年日英租税条約では、取引の目的に着目し、租税条約の濫用目的取引には租税の減免を認めない規定が導入されました。この規定は、租税条約の特典を受けることを主たる目的として、所得の支払又は取得の起因となる権利又は財産の設定又は移転を行う取引を対象としています。同様の規定は、アラブ首長国連邦、オーストラリア、オマーン、サウジアラビア、スイス、スウェーデン、ニュージーランド、フランス、ポルトガル及び香港との租税条約で採用されています。

また、「日台民間租税取決め」の実施のための国内法「外国居住者等所得相互免除法」でも、非課税等の制限規定として、非課税等規定の適用を目的として国内源泉所得の基因となる権利又は財産の設定又は移転等を行った場合には非課税等規定を適用しないこととしています。

次回OECDモデル租税条約改正では、次の4.で説明する「仕組み又は取引」の主目的に着目した一般的濫用防止規定が条文として組み込まれ、コメンタリーが追加される予定です。コメンタリー案によると、この「仕組み又は取引」には、所得の基因となる財産又は権利の設立、取得又は移転を含むと説明されていますので、新コメンタリーは、3.の規定の解釈の参考となるはずです。

(つづく)