前回の『ルネ王の暖炉』を知るきっかけとなったのが、このジャン=ミシェル・ダマーズの『17のヴァリエーション』(同じく木管五重奏のための)。
ダマーズは1928年生まれのやはりフランスの作曲家。今も存命中のようだ。世代的には現代音楽に分類されてもおかしくないが、作風は保守的というか分かりやすいというか、とにかくオシャレで耳あたりがよい。
『17のヴァリエーション』は、なんといっても、最初に提示されるほのぼのとしたテーマが素晴らしく、一耳惚れしてしまった。それが様々な形に変奏され、最後に再び力強く奏されて曲を閉じる。
私はこの曲を聴いて──村の純朴な少年がちょっとした冒険に出て一回り大きくなってまた村に帰ってくる──という、いかにもドラクエ・FF世代らしいストーリーを思い浮かべた(笑)
テーマの終盤(最初の変奏へのブリッジのような部分)は、あたかも、村の外れの怪しげな廃墟か何かに迷い込んで歩き進むうちに地下迷宮の入り口を見つけてふと足を踏み入れてしまったような雰囲気。
17の変奏は迷宮内での出来事。正体不明の敵との追いかけっこ、見た目はちょっと奇っ怪だが友好的な住人との出会い、迷宮に流れる不思議な小川、束の間の休息etc.といったように、ほんとにちょっとしたイベントばかりで、目の前に立ちはだかる手強いモンスターと激闘を繰り広げるようなことはない。
そして、ついに、迷宮の最深部の神殿に辿り着く。そこで、何かしらの宝物を見つけて……
最終変奏からフィナーレへと続く部分は、さながら、秘密のワープゾーンかショートカット階段で一気に地上に戻ってくる感じだ。
フィナーレでは、あのほのぼのとしたテーマが、冒頭では聴かれなかった細かな装飾に彩られた伴奏とともに力強く再奏される。主人公の少年が迷宮の小冒険を経て成長を遂げたかのように!
えー、以上は私の勝手な想像です(笑)
この曲、ネットで探しても、詳細な解説がないんだよね。まぁダマーズ自身はあくまで純音楽として書いたんだろうけど、そういう曲に聴き手が自分なりの物語性を付随しながら聴くというのもまた一興ってことで!