ハンチバックとはせむしのこと、筆者も主人公も重度障害者である。筋疾患先天性ミオパチーによる側湾症で、人工呼吸器と電動車椅子を用いている。

 とても薄い本なのだが、私の知らない言葉がてんこもりで、いちいち検索せねばならなかった。本の内容については、下に貼った記事に記載されている。読者にとって新鮮だった語彙のみ、メモしておく。

 健常者が普通に思っていることが障害者にとってどんなに苦痛なことか思い知らされる。紙の本をページをめくりながら読むことすらしんどいのであるから。それを筆者は「読書文化のマチズモ」と呼ぶ。マチズモとはマッチョからくる言葉だ。本好きの人の無知な傲慢さを主人公は憎んでいる。

 1行目から面食らった。ハプバ?(ハプニングバーだとわかった)、即ハメ3P?モヒート、まだ飲んだことがないから、今度飲んでみよう。カニューレ(吸引器のこと)、コタツ記事!! (取材しないで書く文章のこと、Web記事はそういう粗悪なのがあるらしい)、クラウドソーシング(ネットを介しての求人)、障害を持つ子どもは遺産を残せずそれは国庫行きになる。主人公は、普通の女のように、妊娠と中絶をしてみたいと思う。

 インセル? (involuntary"と"celibate)。今の世の中、そういう男子は少なくなさそうですね。そういうのを弱者男性という? オーバーヘッドスキャナ!! 知らなかった。

 苛立ちや蔑みというものは、遥か遠く離れたものには向かないものだ。

 日本では電子教科書が普及していない。こちら(主人公)は、紙の本を一冊読むたびに背骨がつぶれていく気がする。

 TL小説。スパダリ(スーパーダーリン)、ナーロッパ、テンプレにうまく合わせれば、ランキングを駆け上がる? ディスアビリティクィア・スタディ。「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」。コミケ(同人誌即売会)。生殖技術がコモディティ化により、プチプラ化(低価格化)する・・・。健常と障害の間で引き裂かれる苦悩をモナ・リザにぶつけてスプレーをかけようとして逮捕された米津知子。生きるために壊れていく身体をもつ障害者。

 ある日、主人公は男性看護師の入浴ケアを受ける。ワーグナーと、フランツ・リストの娘コジマの身長差は15センチくらいあった? 『ニーベルンゲンの歌』で、指輪を呪うアルベリヒは、そのようなワーグナーの産物であったと考える著者。看護師からセラピスト(女性向け風俗の施術師)について質問される。『金瓶梅』に出てくる「抽送」という由緒正しい猥語!!  介護士は、自分はノンケ(異性愛者)だと言う。弱者どうしは本音を語りあうことができる。成人漫画のモブレ[モブキャラにレイプされる場面]要員? 全身リップ? 尺? お掃除? 担? [まったく知らない風俗用語がたくさんあっておばさんは驚く。]泥の上に咲く涅槃の花。「釈華が人間であるために殺したがった子を、いつか/いますぐ私は孕むだろう。」