「独房のルージュ」振り返り | 未来に向かって ~旅立ちの朝~

未来に向かって ~旅立ちの朝~

応援している大切な人たちのことを中心に、日常をつづっていきます

さてさて、もんぞもんぞに苦労して延びてしまいましたが、

ようやく独房のルージュの振り返りです。


っていうかですね、がっつり書きすぎました。

mixi含めて過去最長の自信ありあり。

ってそんな自信いらない?(^^;


ままま、お付き合いいただけるのなら、どうぞご覚悟を!




●お話

主人公の吉田優は、新米刑務官。

赴任した女子刑務所で担当した第17房は、

何かと問題を起こす服役囚の多い部屋だった。


朝の点検では布団のたたみ方に注意があったり、

そのやり直しの清掃では、サボる受刑者がいて揉めたり。

主な揉め事の中心は、128番横嶋貴紀と、262番梅崎陽子。

横嶋はネズミ講で、梅崎は覚醒剤での服役。

ことあるごとにいがみ合ったり、事故を取られたりする2人。


このときも吉田が見に来るが、

新米で受刑者の扱いに慣れていない彼女は、

ついつい2人のやりとりをきちんと聞いてしまったりする。

主任刑務官の亀山がサポートに来るが、

いつものように、後で叱られてしまう。


女子少年院から来た吉田は

1人1人の受刑者と真面目に向き合おうとするのだった。

しかしここは少年院ではない。

彼女のそのような一生懸命な姿勢は、

決して望まれることではなかった。


彼女らの上司である処遇部長の薬師寺は、

もっとのんびりやるように吉田に告げるのだった。



労役中も、何かと吉田を困らせる17房の面々。

潔癖症ゆえ、自分の作業ミスが納得いかない319番住田弘子と、

真正面から衝突してみたり。

横嶋や梅崎も、なんやかやと絡む。


それを見かねた17房の一番の古株、64番三神漣子は、

彼女に忠告をする。ちなみに三神は・・・極妻!

「事故」を取りすぎても管理責任は取られるし、

甘くし過ぎていては誰もその刑務官の言うことは聞かなくなる。

その辺りのさじ加減は、受刑者たちは官より余程、

刑務所内の事情を分かっているのだ。


そしてまた、口紅の色も抑え気味にするのが良いという。

化粧ができない受刑者にとっては、

それだけでジェラシーの的になるという。




あるとき17房に新入受刑者が来る。

皆に紹介し、バッジを渡そうとしたときに、

吉田はポケットの中身を落としてしまう。


そのときは気づかなかったのだが、

一緒に口紅を落としていたのだった。

それを見つけたのは195番志村ハツ。

穏やかで優しい老婆。


彼女は、ロッキー財団という新興宗教にはまっていた。

監禁や洗脳などの強引な勧誘の被害者が増え、

財団の一斉摘発によって、服役する身となった。

今でも時々「ロッキーさんロッキーさん…」と、

教祖への祈りを行っては、事故を取られたりしていた。


拾った口紅は、17房の皆にとっては憧れの物。

塗ろうとしては担当が来て邪魔が入り、

新入の田辺遙香に見張りを頼むも、

あまりにのんびり屋で使いものにならず、

結局塗れずじまいだった。


ドベ(番号が一番下)の田辺を疎ましく思う面々だったが、

田辺が、殺人を犯した者だけが集まる会に呼ばれたことで、

彼女の罪状を知ってビクビクし始めてしまう。




そんな折、冬に行われる文化祭で、

17房で行う演目についての話を吉田が持ってくる。

なんとそれはミュージカル。

懸命な吉田は、皆で同じハードルを乗り越えることで、

部屋の結束が高まるはず!と意気揚々と提案していた。


当然皆やる気などないのだが、1人、田辺だけはノリノリに。

田辺を少々恐れていた皆は仕方なく受けることに。


しかし練習はやはりやる気なし。

三神が作ったのはあからさまに仮釈狙いのような、

コテコテの良い子ちゃんな台本だった。

それにはさらにやる気が起きなかった。

そして歌を何にするかも決まらなかった。



演目について部屋で話し合う17房の面々、当然温度差はあるが。

そして住田が空気を入れ替えようと窓に向かう。

すると…聞こえてきたのは鈴虫の鳴く声。


もうこんな季節

ここにいると時間が経つのを忘れる…


寂しさを覚える一同。


するとハツが歌いだした。




いつのことだか

思い出してごらん


あんなこと

こんなこと

あったでしょう


嬉しかったこと

面白かったこと


いつになっても


忘れない




幼かった頃を思い出す一同。


すると横嶋が、

ミュージカルで歌うのはこれにしよう!と言い出す。

この歌の歌詞を変えて、ここでの生活を振り返るものにする、と。



免業日の練習で吉田に披露すると、思った以上に喜ぶ吉田。

これで行こう!

演目が決まった。





文化祭にむけ練習していたあるとき、

ハツのところに面会が来る。


面会の相手は、弁護士、能瀬和馬。

能瀬はロッキー財団の事件に関わった全ての人を

救いたいと考えていた。

それは被害者だけでなく、

加害者として服役している人たちも同様だという。


素行の良いハツが早く仮釈が貰えるようにと、

そして出所後の生活のサポートについても全面的に行うと、

そう言葉を掛ける能瀬だった。


徐々に面会の回数が増え、なかなか練習に参加できなくなるハツ。

それが梅崎には面白くなかった。

「ジェラシーか、シャブ中には面会なんか来るわけないな」

という横嶋の言葉に、ケンカを始めてしまう2人だった。


そしてハツが仮釈の候補に挙がった。




ハツの仮釈をお祝いする17房の面々。

梅崎だけはそっぽを向いていたが。


しかしハツは、

皆さんが居てくれたからこうしてやってこれた

1人になって外に出てどうしたら良いか…

と涙ながらに言う。

そんなハツの人柄だから皆愛していた。


三神がハツに言う。

「それは皆同じ、皆不安を持ってる。

 でも、ロッキーさんのことも私たちのことも忘れて、

 自分で生きて行ってくれ。

 それがハツにとっても私たちにとっても幸せなんだ」と。


ただ1つ問題があった。

ミュージカルは中核のハツが居なくなったらどうするか…

すると梅崎が「アタシがやるよ」と自ら名乗り出た。

だから外に行っても元気でね、と、

ちょっと素直でない感じながらもお祝いに参加する。


梅崎はそれから、読めない漢字を何とか覚えながら、

懸命に台本に取り組んでいた。。




そして、ハツの仮釈が正式に決まった。

身寄りのないハツの身元引受人を能瀬が引き受けたことが決定打だった。


もう労役もなく、所内でも比較的自由な生活に戻れる。

それを聞き、泣き崩れるハツ。

このままにしておいてあげてください、と、吉田に頼む能瀬。

本当は刑務官が離れるのは規程違反だが、

一緒にいるのが信頼できる能瀬なら、と、吉田は少し部屋を離れた。



少し落ち着きを取り戻したハツが能瀬に言った。


「ありがとうございます

 これからはロッキーさんのことは忘れて一生懸命生きて…」


突然、能瀬の表情が変わった…


「ロッキーさんなら・・・死にました、獄中で自殺しました」

「罪も償わずに勝手に死にやがった」


それまで見せていた顔とは全くの別人の能瀬がいた。



「このときが来るのを待っていたんですよ!

 一番の幸せが来るときを我慢していたんです


 私の名前に覚えはありませんか

 能瀬です!

 そう、あなたが監禁した被害者の能瀬和子の息子です!


 今私の母親は、ショックでアルツハイマーになりました

 私の言葉に反応もしません

 それでも時々うつろな目で声を出すんです


 ロッキーさんロッキーさん…


 今でもうわごとのようにお祈りするんです

 何の罪もない人間を、あなたたちがそうさせた

 それでもあなたは出所するのか!」


怒りにまかせた能瀬の声を聞きながら、

ひたすらに恐れおののくハツ…

そして落ち着いた能瀬がゆっくり話しかけた。

「あの刑務官が戻ってくるまで時間がある、

 もう少しお話しましょうか・・・・・」




同じ頃、ミュージカルの練習は続いていた。

もう台本も持たずに堂々としている梅崎、

かえって皆を小ばかにしていた。


すると突然鳴り響く警報。


亀山が飛び込んできた。

17房にハツが、制止も聞かずに入って来たという。


三神たちにこの場に居るよう告げて飛び出す吉田と亀山。




17房では、ハツがひたすら祈り続けていた。

取り憑かれたかのように「ロッキーさんロッキーさん」と。

吉田たちの言葉も届かず、やむなく保護房に送ることに。

三神や横嶋たちも17房に戻ってきてしまった。

詰め寄ろうとする横嶋を部長が押さえている間に、

ハツを連れ出す吉田たち。

仮釈は当然取り消しになった・・・




なぜあんな状態に?

なぜ仮釈準備室を抜け出して17房へ?


ハツの口から語られることはなかった。

悩み、落ち込んでいく吉田。

そこに亀山が来て、ハツからの手紙を渡す。


手紙には歌詞が書かれているという。

きっと懲罰が終わればまた練習に戻るつもりなのだろう。



その頃17房では皆がハツの話をしていた。


ロッキーさんのこと忘れられなかったのかな…

でもアタシはハツの気持ち分かる、と梅崎。


覚醒剤での前科4犯を持つ彼女。

前回の出所は、息子が成人したときだった。

そんなときだからもう絶対クスリはやらないと誓ったが、

そんな彼女に息子は「あんた誰?」という言葉を浴びせた。

そして気がつけば、またクスリに溺れていたのだった。


皆がそれぞれ、自分たちの行ってきたことを悔いて、涙した。

そして知らず知らず、おもいでのアルバムを歌いだしていた。



ハツからの手紙を見ていた吉田はふと違和感を覚える。

書かれている歌詞は…


嬉しかったこと

悲しかったこと


いつになっても…



おかしい…

本当の歌詞は…


ハツさん!!

そう叫んでハツのいる保護房に走り出す吉田。



その頃保護房にいるハツは、

吉田の口紅と、1粒の錠剤を手にしていた。

髪の中に隠していたのだった。


口紅を塗り、そして呟いた。

「皆さん、さようなら…」

錠剤を飲み込み、ハツは静かに身体を横たえた…


吉田は、間に合わなかった。





翌朝、17房内の点検が行われた。

口紅や薬はどこから入手したものか探された。

しかし何も出てこない。

また事情を知らされていない5人は、

ハツに何かあったのか?と感付く。


横嶋が吉田に問いかけると、返ってきたのは嗚咽だった。

「お前らハツに何をしたんや!」

吉田の態度から、全てを理解した5人。


「お前らがハツを殺したんか!

 命を守るのがお前らの仕事やないんか!!」


詰め寄る横嶋たち。

亀山はやむなく警報を鳴らし、5人を懲罰に送った。



状況を報告する吉田や亀山、そして部長。


口紅は確かに自分のもの。

以前紛失したときにハツが拾ったと思われること。

薬の出所は不明だった。


薬は、「被疑者」能瀬和馬の手によって渡されたと思われる。

と、亀山。

能瀬と2人きりにさせたことは完全に自分の責任と、吉田。


そして部長は能瀬についての情報を得ていた。

教祖ロッキーの獄中での自殺と、

元教団信者の獄中自殺や自殺未遂は、

能瀬自身の謀略によって実行されたこと。

そして…母和子を同様の薬物によって安楽死させ、

そのまま自首したのだった。。。





吉田は自分の非力を感じ、職を辞すことに決めた。

文化祭の2日前でいなくなることになる。


担当した17房の面々は保護房にいる。

最後まで厳しく、それが彼女たちのため!と亀山に送り出され、

夜の見張りにつく吉田。


部屋の中から三神が呼びかけてきた。

「私ら足音聞いただけでどの先生か分かるんだよ

 この中は天井が空いてるから屁をこいただけでも筒抜けだ

 話させとくれよ」


受刑者同士は様々な方法で、刑務官の目を盗んで情報交換している。

吉田がやめることは既に知っていた。

そして、ハツがどのようにして亡くなったのかも…


「うちらにハツの弔い合戦をさせてくれ」

自分の罪の意識の中で精一杯生きて、精一杯死んでいったハツ。

消えることのない罪の意識。

「あんたも罪を背負っちまったな

 それは死ぬまで消えない、うちらが言うんだ、間違いない

 だったら腹をくくんな」


やろうや、ミュージカル。

ホントの気持ちを叫びたい。

それをハツに見せたい。


皆口々に言うのだった。

本番まで猛練習だ!




そして文化祭当日が来る。


前々日に退職していた吉田が何と現れる。

母親である梅崎から隠れるように住所を変え、

手紙も届かなくなっていた息子、

その息子からの手紙を持ってきたのだ。


吉田は前日までに息子の住所を調べ、

それまで書き溜めて届かなかった全ての手紙を彼に届け、

返事を書いてもらってきていた。


その手紙が本番直前に梅崎の元に渡る。



また吉田は、部長の粋な計らいで、

退職日が文化祭後になっていたと知らされる。

堂々と中に入って、職員として彼女たちのステージを見届けられる!



17房の発表の番が来る。

歌と共に思い出を語り始める彼女たち。


突然梅崎が、まだ読んでいなかった息子からの手紙を読み出す。

「アドリブか!」横嶋が怒るも、続ける梅崎。


かつて母と認めないかのような言葉を浴びせた息子、

その長い手紙は母への恨みを綴るかのように

「あんたみたいな親がいたから」と何度も書かれていた。

しかし、「あんたみたいな親が」と書きながらも、

それを反面教師にして頑張ってきたかのような姿と、

家庭を持ち、子供を持った現状が記され、

最後には「あんたみたいな『母ちゃん』がいたから…」と

はっきり書かれていた。


涙に暮れるが、しかしキッと前を向き、

ミュージカルを続ける梅崎。



そして話はハツのことへと進む。

優しいハツの人柄、そんなハツがもうこの世にはいないことを語る。


でもきっとハツはこの舞台を見ている。

そんなハツに語りかける。

「もう笑って良いんやで、みんな許してくれる」

「うちらも精一杯笑う、どんなときでも」


そして・・・


「そうやろ!」と突然吉田の方を向く5人。


「お前も・・・・笑え!!!」




辞めていく吉田への、手向けの言葉だった。。






●感想

というわけで、ようやく振り返りの感想っていうねw

さすがに本編が長すぎなので、感想は短く参りましょう。

前にもちょこっと書いたりしましたしね。



で、この作品、ホントに素晴らしいお話でした。

こんな素晴らしいお話にもなかなか出会えないんじゃないかな。


すごくいいお話でありながら、

しかもかなり笑いの要素も入ってるというね。

ホントに何を見てもどこまでも松本さんがすごすぎる…



そしてご出演の皆様。

専門の役者さんではなくて、1年間松本さんのスタジオで学んできた方たち。

専門じゃないのですけど、素晴らしい演技を見せてくださいました。

ただ、2度目の参加って方もいらっしゃるのですね。

アクターズスタジオのサイトを見てみたら過去の公演の写真に映ってました。

でも、初めてって方は当然いらっしゃるわけで、そういう差はあまり感じなくて、

ホントに素晴らしいなってやっぱり思います。



それと、この公演は歌があります。

恐らくほとんどの人が知ってるであろう「おもいでのアルバム」。


歌と芝居と、一緒にあるから、印象が強く残るのかな?なんて思いました。

記憶の中に一つのインパクトとして残りやすくなる??

まあ根拠はないですけど、でもホントにじんわり心に沁みてきました。




後最後にちょっと余談。


BGMや効果音に、ちょっと嬉しいのが使われてたのですよね。

ショートストーリーズの「Re:」で、加奈の回想?中に流れてた曲や、

同じく「Re:」で、ユウさんがチェンジするときの曲っていうか効果音?

聞こえてきたとき嬉しくなっちゃいました。


そして、さらに嬉しかったのが…

ハツさんが、「皆さんがいたからやってこれたのに」と語るシーン。

ここでのBGMは、クロノパラドックスで、

駆がおばあちゃんが亡くなったとを語るシーンで掛かっていた曲なのでした。


あの芝居も大好きでしたし、その中ですごく好きなシーンで、

しかも曲自体も好きで・・・

そういういろんな要素が絡まりあって好きだったので、

あの曲がまた聞けたのが嬉しかったのでした。。


てことで余談終了。


と同時に、この超絶長い日記をおしまいにします。



最後まできっちり読まれた方っていらっしゃるのでしょうか(^^;

いらっしゃいましたなら、教えてください。


心を込めて



「ありがとうございます」



って声に出して言います(笑)