後編:【誠意】とは何かを知った日。
さて、今日は前回のブログの続きです。
前回は、僕が取引先のお客様から「もう君には頼まない!」と言われたところまででした。
では後編、どうぞ!
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とても冷静でいつもと変わらない声で「もう君には頼まないことにします」と言ったお客様。
今まで関係性は良好だったのに。
今回だっていつものように気さくにコミュニケーションを取って入稿したのに。
わけがわからなく、「え・・・どういうことでしょうか?」としか言えなかった僕。
お客様はさらに続けました。
先方
「今回のやり取りで、とても軽く扱われているように感じました。
森丘さんはいつものようにやり取りをしたつもりだったかも知れないし、締め切りギリギリだったのもわかります。
ですが、こちらの修正要望に対しての対応が気に障りました。
うちは2ヶ月に1回、少額の発注をするだけですが、小さな仕事だと思われているように感じました。
仕事に大小はあるかも知れませんが、対応にそれを出してはいけないのではないですか?
ちょっと合わないなと思ったので、今後はもう結構です。
ちなみに、上司をつれて謝罪に来たりしなくて結構ですからね。」
そう言って電話を切られてしまったのです。
決して雑に対応したつもりもなかったし、小さな仕事だと思ってやり取りをしたつもりもなかった。
毎週100万円のお客様も、数ヶ月に1回3万円のお客様も、大事なクライアントに変わりはないと思っていたので。
でも、その人はそう感じてしまった。
フレンドリーなやり取りが実は好きじゃなくて、不快にさせてしまった。
すぐ上司に相談し、結局上司と一緒に謝罪に向かうことに。
電話も出てくれないので、アイドルタイムを狙ってアポなしで訪問。
すると、
先方「上司を連れてきての謝罪はいらないと言ったでしょ!僕と森丘さんの問題なんですから!帰ってください!」
とのこと。
過去の謝罪対応から考えても、上司と一緒に訪問するのが筋だと上司も考えていたのですが、今回は火に油を注いでしまいました。
どうすれば良いのかわからず、数日経ちました。
もちろん電話には出てくれないし、一人で訪問したところで取り合ってくれない。
僕にとっては紛れもなく大事なお客様だと思っていたし、今後もお付き合いをしていきたい人。
悪い人じゃないのはわかっていたし、話せば必ずわかってくれる人。
でもここで「そんなつもりはなかった」なんていう釈明付きの謝罪をしてもきっと許してくれないだろう。
考えて考えて考えて、一つの結論に至りました。
「誠意」を伝えるために、ただただお詫びに徹した手紙を書こう。と。
文章は夜中まで考えてA4用紙3枚分くらい書いたかな(盛ってるかも知れない)。
内容は、ただただお詫び。
こちらの気持ちがどうあれ、不快にさせてしまったことは全てこちらの責任。
上司を連れて行ってしまったことも安易な手法だったかも知れない。
言い訳や釈明は一切なし。
伝わる言葉を。
伝わる文章を。
伝わる誠意を。
1ミリもエゴを出すことなく、純粋な「ごめんなさい」を手紙にしたためました。
そっと先方のポストに入れて、反応を待ちました。
すると数日後、僕宛に会社に手紙が届きました。
そのお客様からです。
「森丘さんへ。
お手紙、拝見しました。
本当に森丘さんにはもう頼まないつもりでしたが、お手紙の内容にとても感動しました。
先日は私も熱くなってしまい、本当にすみませんでした。
(略)
こんなに真剣に向き合ってくれた営業の方は初めてです。
これからもどうぞよろしくお願いします。」
僕はすぐにお客様に電話をし、感謝と、改めての謝罪を伝えました。
後日お会いさせていただき、また元のように取引をする関係になりました。
最終的に僕が転勤をすることになって後輩に顧客を引き継ぐときに、
「森丘さんみたいな優秀な営業マンの後はやりずらいと思います。
だって、御社に発注してたんじゃなく、森丘さんに発注してたんだから。」
と言ってもらえました。
一度失った信頼を取り戻すのは難しい。
でも、「誠意」を伝えれば取り戻せる“かも”知れない。
そして、そういう時こそ信頼関係を深めるチャンスだということを、身をもって学んだ出来事でした。
自分への戒めとして、いただいた手紙はずっと取ってあります。
長いブログを読んでくれてありがとう!!
Tポイントあげちゃう!!
ではまたね!!