幕が上がる | Happy-Gate

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半径5mのライフログです。

ももクロ主演映画の原作ということで、平田オリザ作【幕が上がる】を読んでみました。
関東近郊の海のない県の公立高校演劇部を舞台にした青春小説。基本的にはサクセスストーリーで、弱小演劇部が全国大会を目指す話です。

高校演劇の世界については全く未知で、全国大会があることも知りませんでした。
作者の平田オリザ自身が審査員として、高校演劇に接した時に感じた違和感がストーリーの中心にあります。
等身大の高校生の高校生らしさとは?
高校演劇のあるべき姿とは?
作者がインタビューで、高校演劇の審査員をしていると、顧問の先生が脚本を書いたりした妙に説教臭いお話や、いじめやトラウマを過剰に描いてそれを克服するようなお話ばかり。
でも、実際の部活動をしている高校生には、そんな「等身大の」高校生はいないんじゃないか。
では、等身大の高校生らしさとはなんだろうか?
この作品の主人公は、なし崩し的に演劇部の部長になった女の子。
3年生になった時、元学生演劇の女王と呼ばれた新任教師出会い、本格的に演劇を始めることになる。
やがて演出として才能を開花させ、演劇にのめり込んでいく。
強豪校からの転校生も仲間になって、自分たちの演劇を作り上げていく。
主人公達が作るお芝居は銀河鉄道の夜。このお話には等身大の高校生は出てこない。だが、主人公は気がつく。
そういう虚構をみんなで作り上げていく過程こそが「等身大」の高校生であり、現実なんだと。

主人公が演出家ということで、劇中劇では演出家の目でお芝居が語られます。
これは観劇する際のポイントで、実は、演劇鑑賞のHow toだったりします。
こういう視点でお芝居をみるとより深く楽しめるという。

読み終わったあと、久々に下北に行きたくなることでしょう。