『ごちそうさん』が高視聴率だという。だが、ぼくはハマれなかった。なんかつまらない。なんか違和感があった。
物語が進むにつれて、ぼくが感じた違和感の正体がだんだん分かってきた。
結論を言うと『ごちそうさん』は朝ドラとして異端だったからだ!
僕が考える正統派朝ドラとは、登場人物に4つの条件が課せられたものをいう。
①女性が主人公。
②女性が社会的な仕事をしている。
③社会的問題よりも家庭内の問題が物語の柱になっている。
④スーパーウーマンである。
例えば、名作『おしん』は全ての条件を満たしている。
『おしん』は女性主人公であり、様々な職業を点々とする。関東大震災や太平洋戦争などの社会問題よりも、奉公先や姑の虐めがドラマの推進力になっていて、子育ても会社経営も立派にこなすスーパーウーマンなのだ。
そして問題の『ごちそうさん』である。
このドラマは条件①③はクリアしている。
問題は②だ。主人公のめ以子は、仕事をしていない。つまり『専業主婦』なのだ。
僕が朝ドラを見始めた『凛凛と』から『あまちゃん』に至るまで、王道朝ドラの主人公は何らかの仕事をしていた。ドラマを作る上で、家庭内だけに留まってしまう専業主婦では物語の起伏が単調になってしまうし、結局、『渡る世間は鬼ばかり』の2番煎じになってしまう。朝からそんなドラマはみたくないだろう。
ところが『ごちそうさん』は《専業主婦》が主人公なのだ。
ぼくが感じた違和感の最大のポイントはここだった。
一見正統派朝ドラなのに、主人公が正統派ではない。
ぼくが好きなパターンの朝ドラはある種のサクセスストーリーなので、《専業主婦》が主人公のドラマでは、期待する様なサクセスが見えない。
朝ドラとして異端過ぎるのだ。
ただ『ごちそうさん』を細かく観ていくと、正統派朝ドラの破片はまぶしてあって、例えば実家の西洋料理店は母親が切り盛りをしていたり、義理の妹が女性アナウンサーだったり、旦那の幼なじみが医者だったり、行きつけの喫茶店には同級生が働いていたりと、条件②の働く女性という部分は周りのキャラクターが担っている。
だから、遠目で観ると、全ての条件が整っているように見える作りになっているのだ。
これがヒットの仕掛けであり、ぼくがはまれなかった理由なのであった。