あれから一年経った。気が付くと「日常」に追い立てられて、それが今まだ現在進行形の危機であると言うことさえ、感じられなくなっている。
いままで生きてきて、いくつか人生観を揺さぶられる出来事があったが、東日本大震災とそれに続く原発のメルトダウンは、最大級の衝撃があった。
それなのに、半年も経たないうちに、「日常」に飲み込まれてしまった。
都内では、震災翌日には、スーパーから食料が消え、ホームセンターではアウトドア用品が立ち所に消えた。
3日目には、ガソリンスタンドが閉鎖され、1週間後、水道水から放射性物質が規定値以上見つかった。
計画停電なる言葉が流布され、街は暗くなった。
それでも、都市はシステムを維持した。
だから何事もなく「日常」が続いた。
NHKのニュースで、一日の放射線量を発表されるのが、当たり前になり、その数字も特に意味を感じなくなるくらいになった。
これが人間の強かさなのかと、実感する。
これからもこの日常は続いていくだろう。たとえ、東京が壊滅したとしても。
それが日本人の強さの本質なのかも知れない。