瀬戸さんという人が、仕事の都合でしばらく地方都市に単身赴任することになって、マンションでの一人暮らしが始まった。
そんなときなんですが、たまに、夜中に部屋の中を人が動き回るような気配を感じる事がある。
ただ、不思議なことに、疲れていて目は開かないし、体は動かないんですが、どうやら神経の方が逆に起きてしまうらしいんです。
で、、、、、時によっては苦しそうなうめき声がしたりする。
それが、どうも女の人のようなんで、瀬戸さんは
(たぶん、神経が疲れていて、幻聴を起すんだろう)
と思っていたんですね。
そんなある日の事なんですが、会社にひとり残って仕事をしていて遅くなったんで、ま、このまま帰っても単身赴任ですから、
待ってる者もいないんで、
多少酔って、マンションに帰ってくると、エレベーターが最上階で止まってた。
自分の部屋は二階だったんで、エレベーターを待つのがめんどくさい。
それでそのまま階段を、トントントントン、上がって行くと、階段に点々と、雫の跡がついてる。
二階に上がると、通路の床にも、点々と、雫の跡があった。
瀬戸さんが自分の部屋の玄関のドアを開けようとして
(あれ?)と思った。
なんと雫の跡は、自分の部屋の玄関まで続いてる。
(これは何の雫だろう---?なんで自分の部屋にまで、続いてるんだろう?)
全く自分には覚えがないんで、なんだか薄気味悪い。
(もしや、部屋に何かいるんじゃないだろうか!?)
そして蒲団に横になると、眠てしまった。
翌朝、出勤するんで玄関のドアを開けて通路に出ると、昨夜の雫の乾いた跡がまだかすかに残っていた。
(あぁそうだった!しかしこれ、なんだろう---??ずーっと下から続いてるし、留守に、誰か訪ねてきたんだろうか?)
気にはなっているんですが、毎日、会社で忙しく仕事に追われるうちに、いつの間にか忘れてしまうんですよね。
そんな事があってから、ひと月近くたった朝、いつものようにドアを開けて通路に出ると、
(あれ!?)
床に雫の跡が、またついてるのを見付けた。乾いて薄くはなっているんですが、よーく見ると、玄関から点々と通路に続いているのがわかった。
(なんだろこれ?昨日会社から帰ってきた時には、通路にこんな跡はなかったのに。誰かが夜中にきて、自分の部屋の様子でもうかがってるのかなぁ)
一度ならず、二度ともなると気持が悪い。
瀬戸さん、普段は縁起を担ぐだとか、迷信といったものには、とんと興味のない人なんですが、さすがに地元の神社へ行ってお札をもらってきた。
魔除けのお札で、玄関のドアの裏に、ペタっと貼ったわけだ。
そうしておいて、自分が寝ている一番奥の和室の襖を開けたままにして、玄関の方に頭を向けて寝る格好をすると、
ダイニングキッチンのドアを開けておけば、廊下のつきあたりが玄関ですから。顔を上げれば、ちょうど自分の目の位置に、
ドアの裏のお札が見えるわけだ。
こうすると、なんとなく安心した・・・・。
実際、それから何も起こらなかったんですね。
そんなことがあってから、しばらくして、奥さんが一週間程いる予定でやってきた。部屋の掃除に、台所、風呂場にトイレの掃除に、
片付けと洗濯と身の回りのいっさいをしてくれる。
瀬戸さん、久しぶりに家庭の味を、味わうことができたわけです。
日曜日、珍しく部屋で瀬戸さんがくつろいでいると、買い物に行った奥さんが、食料品やら日用品を抱えて帰ってきて、
それを座敷に置くと、
「ねぇ~、今、聞いてきた話なんだけど、このマンションじゃないかしらね~」
と、買い物先で耳にした話をしゃべり始めた。
「以前にねぇ、若い姉妹が住んでてね、このお姉さんの方が、マンションの近くの路上で、刺し殺されたんだって!
刺した男っていうのが、妹さんの方と以前付き合ってた男でね~、その日、お姉さんの方は会社の祝賀会があって、
妹の服を借りて行ったっていうの。
でもこの日は、夜から雨になって、傘をさして帰ってきたんだって。妹の服借りて着れるくらいだから、
体つきも似てたんでしょうね。
あいにくの雨で、傘をさしてるから顔は見えないし、妹さんを待ち伏せしていた男が、間違えて刺したんだって!
それがね、首をザックリと深く刺したもんだから、首のところから頭がねじ切れそうになっててね、そこから噴き出した血で、
服が真っ赤に染まっていたそうよ。
このお姉さんって人は気丈な人でね、刺されながら、自分の部屋まで行って、そこから自分で警察に通報したんだって。
救急隊が部屋に行ったときは、もう事切れていたそうだけど・・・・・・
刺された現場は凄い血でね、首からしたたり落ちた血が、ポタポタポタポタとずーっと続いていて、救急隊の人が、
その跡をついてったら部屋まで行けたっていうんだから。こんなに血を流したんじゃ、助からないだろうって思ったって・・・」
と聞くとも無く、話を聞かされて、
(なんだか、嫌な話聞いちゃったなぁ、気分悪いなぁ---)
と思った。
ま、そんなことがあって、一週間が過ぎて奥さんは帰っていった。
そして、瀬戸さんのひとり暮らしの生活がまた始まった。
そんな具合ですから、会社から帰ると、風呂場でひと風呂浴びて、汗を流して、そのまんま蒲団にゴローンと横になり、寝てしまう。
そんな毎日が続いてたわけです。 そんなときなんですが、たまに、夜中に部屋の中を人が動き回るような気配を感じる事がある。
ただ、不思議なことに、疲れていて目は開かないし、体は動かないんですが、どうやら神経の方が逆に起きてしまうらしいんです。
で、、、、、時によっては苦しそうなうめき声がしたりする。
それが、どうも女の人のようなんで、瀬戸さんは
(たぶん、神経が疲れていて、幻聴を起すんだろう)
と思っていたんですね。
そんなある日の事なんですが、会社にひとり残って仕事をしていて遅くなったんで、ま、このまま帰っても単身赴任ですから、
待ってる者もいないんで、
(どこかで、一杯ひっかけていこうかなぁ)と、
帰りがけに居酒屋によって、そこで一杯やりながらマスターと話をするうちに、これがついつい話し込んでしまっていい時間になってしまった。 多少酔って、マンションに帰ってくると、エレベーターが最上階で止まってた。
自分の部屋は二階だったんで、エレベーターを待つのがめんどくさい。
それでそのまま階段を、トントントントン、上がって行くと、階段に点々と、雫の跡がついてる。
二階に上がると、通路の床にも、点々と、雫の跡があった。
瀬戸さんが自分の部屋の玄関のドアを開けようとして
(あれ?)と思った。
なんと雫の跡は、自分の部屋の玄関まで続いてる。
(これは何の雫だろう---?なんで自分の部屋にまで、続いてるんだろう?)
全く自分には覚えがないんで、なんだか薄気味悪い。
(もしや、部屋に何かいるんじゃないだろうか!?)
ドアに鍵を差し込んで、ゆっくりとノブを回して、静かに開けた。
真っ暗な室内の様子をしばらくうかがってから、壁の明かりのスイッチを入れたんですが、部屋の中はいつもと変わった様子はない。そして蒲団に横になると、眠てしまった。
翌朝、出勤するんで玄関のドアを開けて通路に出ると、昨夜の雫の乾いた跡がまだかすかに残っていた。
(あぁそうだった!しかしこれ、なんだろう---??ずーっと下から続いてるし、留守に、誰か訪ねてきたんだろうか?)
気にはなっているんですが、毎日、会社で忙しく仕事に追われるうちに、いつの間にか忘れてしまうんですよね。
そんな事があってから、ひと月近くたった朝、いつものようにドアを開けて通路に出ると、
(あれ!?)
床に雫の跡が、またついてるのを見付けた。乾いて薄くはなっているんですが、よーく見ると、玄関から点々と通路に続いているのがわかった。
(なんだろこれ?昨日会社から帰ってきた時には、通路にこんな跡はなかったのに。誰かが夜中にきて、自分の部屋の様子でもうかがってるのかなぁ)
一度ならず、二度ともなると気持が悪い。
瀬戸さん、普段は縁起を担ぐだとか、迷信といったものには、とんと興味のない人なんですが、さすがに地元の神社へ行ってお札をもらってきた。
魔除けのお札で、玄関のドアの裏に、ペタっと貼ったわけだ。
そうしておいて、自分が寝ている一番奥の和室の襖を開けたままにして、玄関の方に頭を向けて寝る格好をすると、
ダイニングキッチンのドアを開けておけば、廊下のつきあたりが玄関ですから。顔を上げれば、ちょうど自分の目の位置に、
ドアの裏のお札が見えるわけだ。
こうすると、なんとなく安心した・・・・。
実際、それから何も起こらなかったんですね。
そんなことがあってから、しばらくして、奥さんが一週間程いる予定でやってきた。部屋の掃除に、台所、風呂場にトイレの掃除に、
片付けと洗濯と身の回りのいっさいをしてくれる。
瀬戸さん、久しぶりに家庭の味を、味わうことができたわけです。
日曜日、珍しく部屋で瀬戸さんがくつろいでいると、買い物に行った奥さんが、食料品やら日用品を抱えて帰ってきて、
それを座敷に置くと、
「ねぇ~、今、聞いてきた話なんだけど、このマンションじゃないかしらね~」
と、買い物先で耳にした話をしゃべり始めた。
「以前にねぇ、若い姉妹が住んでてね、このお姉さんの方が、マンションの近くの路上で、刺し殺されたんだって!
刺した男っていうのが、妹さんの方と以前付き合ってた男でね~、その日、お姉さんの方は会社の祝賀会があって、
妹の服を借りて行ったっていうの。
でもこの日は、夜から雨になって、傘をさして帰ってきたんだって。妹の服借りて着れるくらいだから、
体つきも似てたんでしょうね。
あいにくの雨で、傘をさしてるから顔は見えないし、妹さんを待ち伏せしていた男が、間違えて刺したんだって!
それがね、首をザックリと深く刺したもんだから、首のところから頭がねじ切れそうになっててね、そこから噴き出した血で、
服が真っ赤に染まっていたそうよ。
このお姉さんって人は気丈な人でね、刺されながら、自分の部屋まで行って、そこから自分で警察に通報したんだって。
救急隊が部屋に行ったときは、もう事切れていたそうだけど・・・・・・
刺された現場は凄い血でね、首からしたたり落ちた血が、ポタポタポタポタとずーっと続いていて、救急隊の人が、
その跡をついてったら部屋まで行けたっていうんだから。こんなに血を流したんじゃ、助からないだろうって思ったって・・・」
と聞くとも無く、話を聞かされて、
(なんだか、嫌な話聞いちゃったなぁ、気分悪いなぁ---)
と思った。
ま、そんなことがあって、一週間が過ぎて奥さんは帰っていった。
そして、瀬戸さんのひとり暮らしの生活がまた始まった。