あなたは悪魔の存在を信じますか?
この映画の主題はこの一点にある。信じられないことに、このお話は実話を元に作られているという。
悪魔払いの失敗によりエミリー・ローズという女の子が死に、過失致死の罪で起訴された神父。司法取引を拒否して、法廷にて悪魔の存在を争う裁判が開始された。
検察側はエミリーが精神病か神経症だったと、医学界の権威を集めて、立証しようとする。被告側は超自然現象を研究する人類学者に証言させて、悪魔が憑くとはどういう事かと、科学的に証明しようとする。
やがて弁護士の身にも異変が起こる。それが悪魔の仕業なのか?
不利な状況に追い込まれていく被告側。そして、評決は?
これはホラー映画です。
しかも古典的と言っていいでしょう。エミリーが、変な声を出したり、変な恰好したりと、まさしくエクソシスト。エミリーにだけ見える悪魔も、ゼイリブか?虫を食べているのも、窓が勝手に開いたり、決まった時間に不可思議なことが起こるのも、実に古典的だ。
だが、そこに法廷ドラマという因子が入ることで、新しい映画になった。
しかも、こんな荒唐無稽な話なのに、実話を元にしていると、冒頭で出るものだから、いきなり説得力を持って、映画の世界に引きずり込まれてしまう。
まるで、陪審員になったような気分で、映画の世界に入ってしまう。
本当に不思議な映画だ。ホラー映画としては三流以下だ。挙げたように、映像表現として、いわゆるホラー映画の文法を何一つ逸脱してないのだから。ビックリするような映像表現、残忍な暴力描写、超自然的な心理的な恐怖。それが全くない。
そして、法廷ドラマとしても、三流以下だ。不利な証言。証拠。一発逆転の展開。不意打ちに近い決定的な証言。
そう言ったものが、全然無いのだ。もしこれが実話を元にしていないのなら、見るに堪えられなかったことだろう。
結局、こんな東スポの紙面ぐらいしか飾れないような裁判の結果を知りたくて、最後まで観てしまった。
普通に考えて、悪魔の存在は別にして、何かに憑かれるという症状は、精神疾患か、神経症の一種ではないかと思う。映画の中では、感覚器官が異常に発達していて、それが鋭敏に反応してしまう症状だと説明していたが、そうじゃないかな。
例えば、幽霊とかオバケの類は、脳みその海馬に、疾患や外的要因により、電流異常が起こると誰にでも見えるという。カナダの大学の実験で、この部分に電気的な負荷をかけることで、幽霊を観ることに成功している。
これは記憶を呼び出す機能と、視覚情報が、同時に同じ部位で処理されてしまうから、見えてしまうのだ。実際、テレビや映画でみたような幽霊しか出てこない。これは見る人の記憶が幽霊の源泉だから。何も知れない人は、何も見ないだろうし、違う文化圏で育った人なら、違うものを観るだろう。
それにしてもアメリカという国は不思議な国だ。
真剣にこんな裁判が行われていたのかね。