スウィングガールズは、そのタイトルが示すとおり、ジャズを演奏する女の子達の話だ。まぁ、アイドルムービーなんだろうけど、そこは矢口史靖監督作品だけに、それなりに期待値が上がってしまった。
これだけ大勢若いキャストが出てくると、この中から次の世代の大物が出てくるのか、楽しみになってしまう。
主演の上野樹里は、『てるてる家族』というNHKの朝ドラで、3女役で、それなりに知名度があったのだが、それ以外の子たちは、無名に近かった。それだけに、こちらは変な先入観を持たずに映画を見ることが出来た。
映画の主立った構成は、矢口監督の前作『ウォーターボーイズ』と同じだ。あえて書く必要もない。
何をやってもダメな子が、音楽の魅力に目覚めて、やがてみんなを巻き込んで、大きな舞台で成功する。
別に複雑なプロットはいらない。かわいい女の子と、四季折々ののどかな風景、それに音楽さえあればこの映画は、出来てしまう。
だから、この映画を支えているのは、実は、豪華な脇役人と言ってもいい。その人達がいなければ、実に退屈な映画になったであろう。
特に竹中直人演じる数学教師がいい。単にジャズが好きなだけで、自分では演奏も出来ないくせに成り行きで、彼女らにジャズを教えるという複雑な役。
結局、生徒の一人に楽器が演奏できないことがばれて、舞台に上がることをしなかったが、憧れの白石美帆演じる音楽教師に、「ジャズっていいですね」という言葉を受けるという、プロット的に考える真の主人公と言ってもいい。
海外で売り出すなら、竹中直人主演映画としてもいいくらいだ。
ラストの演奏会。彼女らの表情は、まるでドキュメンタリーのように、本当にいい表情をしている。
役者の中では、トランペットの女の子がいいなと思った。
ジャズはノリが大事。臨機応変さが必要なのだというわけで、トム・クルーズ主演のコラテラルだ。
この話は、平凡なタクシードライバーが、殺し屋を乗せてしまったことから、非日常的時間を歩むことになるという作品だ。この作品の中で、トム扮する殺し屋がジャズ好きで、人生と重ね合わせ臨機応変、アドリブが重要だと説明するシーンがある。
たまたま観た二つの毛色の違う作品だが、偶然にも同じジャズをテーマにしている。
その中でジャズの本質的なアドリブの部分を、スウィングガールの方は友情に、
コラテラルの方は人の孤独にたとえて、物語の中に組み込んでいる。
最後に、評価だけど、両方とも3点かな。