ガザ侵攻
2009年2月、村上春樹さんはエルサレム賞を受賞しました。
当時はイスラエルによるガザ侵攻が国際的に非難されており、この受賞については大阪の市民団体などから「イスラエルの戦争犯罪を隠し、免罪することにつながる」として辞退を求める声が上がっていました。
しかし村上さんは賞を受けエルサレムでの授賞式に出席。
記念講演では「この賞を受けることがイスラエルの政策を承認したとの印象を与えてしまわないかと悩んだ」ことを告白し、その上で「あまりに多くの人が『行かないように』と助言するのでかえって行きたくなった」「何も語らないことより現地で語ることを選んだ」と出席理由を説明されました。
そして「高くて固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」と、イスラエル軍によって1000人以上のガザ市民が命を落としたことをイスラエルのペレス大統領の面前で批判。
さらに「私たちはみな国籍や人種・宗教を超えてまず人間であり、『システム』という名の壁に直面する壊れやすい卵なのです」と語られました。
このスピーチの途中からペレス大統領の顔はこわばってきたといいいます。
村上さんの勇気と英断にあっぱれです。