越境者を読んで | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

基本毎日更新。名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
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越境者を読んで

 

松田美智子著作「越境者」はいろいろな意味でショックだった。

あまり知りたくないと、正直思うことも多々あったが、総じて、そういうことだったんだなと腑に落ちることも実は多かった。

そう言って自分の優作愛には変わりなく、いや、かなり増加したのかもしれない。

子どもの頃、なんとなくほれ込んだマイヒーロー。

そこには幻滅もない、失望も、絶望もなく、ただあるのは憧憬と、間違いはなかったという安堵感のみ。


 

 

 

さて、優作は生前、病に倒れた前後に、こんな言葉たちを残しているそうだが、これらに関しては、何というか、正直、ぞっとした。

 

(松田美由紀さんに対して)多分お前が悪性の病気になったら、俺は分かると思う。般若心経の写経と座禅を始めてから、いろんなものが見えてくるようになった。相手の精神とか、身体の状態なんかがな

 

寺で座禅を組んだんだが、悟りの境地まであと一歩のところまでいった

 

 

(医師から癌を宣告されて)先生、例えどんな病気でも、正直に俺に言ってください!でも周りにだけには絶対に言わないでくれ!女房には言わんでください・・・

 

 

 

俺的には、やはりこういう言葉がグッとくるわけで。

 

直球しか投げられないピッチャーは、ずっと直球を投げ続けていけばいいんだよ。変にカーブを投げようとか、時代に合わせてシュートを投げてみようと思わないで、ずっと速球を投げ続けてみろ

松田優作