江戸しぐさ問題
江戸しぐさとは、芝三光が提唱し、NPO法人江戸しぐさが「江戸商人のリーダーたちが築き上げた、上に立つ者の行動哲学」と称して普及、振興を促進している概念・運動である。
これは、江戸時代、商人が争いなく平和に生活するための哲学といわれており、例えば「傘かしげ」「こぶし腰浮かせ」などがあるという。
しかしながら、今のところ江戸しぐさが江戸時代に実在していたという事実は史料によって確認されておらず、逆に、江戸期において実際にはおこなわれていなかったことが、明らかにされつつあるのだ。
よって、提唱者・芝三光(小林和雄)の創作なのでは?といわれているが、NPO法人江戸しぐさの理事長である越川禮子は「江戸しぐさは口伝で受け継がれてきたものであるため、資料としては残っていない」と述べて、この偽造説を完全否定している。
また、な・ぜ・か、「江戸しぐさ」はNPO法人江戸しぐさが「紙類、文房具類、印刷物」「セミナーの企画・運営または開催、書籍の制作、電子出版物の提供、教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く)」に関し、商標権を有している。
歴史的な事実を商標登録とか、ありえないでしょ(笑)。
自分が「彦根城」「隣組」「農民一揆」を商標登録できるわけがないしさ(笑)。
またまた、明治政府が江戸しぐさの摘発を行い、さらに多数の江戸っ子を虐殺した、江戸しぐさを広めるための秘密結社が存在したといった振興団体独自の歴史観が前提となっている事が、オカルトっぽくてうさん臭さ極まりない。
ところで、原田実氏は偽史・偽書の研究で有名な方。
「オカルト化する日本の教育」の著者だ。
その他「江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統」「江戸しぐさの終焉」の著作もある。
「オカルト化する日本の教育」によると、偽史・疑似科学にもとづく教育論が学校に定着しつつあって、それが「江戸しぐさ」と「親学」繋がっているとのこと。
「水からの伝言」問題もあるし。
現代の教育がオカルトへの融和性が高いと語っているようだが、子供のいる家庭の方や教育関係の方には、興味深い一冊といえる。
そう、偽造・捏造された歴史が、堂々と、道徳の教育現場に混入しているのである。
原田氏以外でも、江戸文化研究家で法政大学総長の田中優子は「空想・創作」であるとニュースで発言している。
アンブロークン
アンジェリーナジョリーは監督としても有能だ。
「最愛の大地」に次ぐ二作目の作品が「アンブロークン」。
太平洋戦争時に、日本軍捕虜となったB-24爆撃手ルイスザンペリーニの原作の映画化である。
しかし、この作品は日本ではナ、ナ、ナント、上映中止となり、いまだに日の目を見ていない。
「上映反対」の署名運動迄起こったことは記憶に新しい。
さて、原作を読む限り、鎌倉大船捕虜収容所での拷問体験はすさまじい限りで、リアル「戦メリ」であると感じた。
ものすごいという言葉では到底、その一部さえも言い表せないほどの恐怖体験をされていることに、ショックを禁じ得ない。
ちなみに、彼は1998年、長野五輪で聖火ランナーとなり長野の街を疾走していたことはあまり知られていない気がする。
さて、この映画が上映中止になった理由、それがとんちんかん。
映画内で日本兵が捕虜を「ハンニバル」する描写があるからだという。
それが「反日行為」だという。
が、実際にアメリカで見た人の感想では、総じてそんなシーンはないらしい。
どゆこと?
なので、それが事実だとすれば、まず「日本兵が人肉を食う映画」だという評判自体がまず、事実無根の中傷に過ぎない。
と、なると、観てもいない人が映画のストーリーをでっちあげて上映中止にしたということになる。
それって、変だよな。
何がしたかったんだろうか?中止派は?
ほんまの理由は何なん??
ただ、残念ながら日本兵の捕虜に対しての人体実験行為、食人行為は、現実にあったこと。
それは「ゆきゆきて、神軍」、「悪魔の飽食」でも「野火」でも明確にされている。
たまらなく飢えていて、仕方なく食った、と。
人間なんて、そんなもんさ。