1980年・点景 腐ったミカンにも、なれやしねぇ  鹿沼えり | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

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基本毎日更新。名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
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度々ネタにしている「大激闘 マッドポリス'80」。

この最初のキャッチフレーズがすごい。

 

「10秒に一発撃ち、1分に一人の犯人が死ぬ」

狂犬俳優・渡瀬恒彦、不良番長・梅宮辰夫、ピラニア軍団・志賀勝&片桐竜二を配した面々にスリムカンパニー・中西良太、なぜかクラリオンガール・堀川まゆみ...。

こんなアウトロー集団が毎回犯人を逮捕、ではなく殺害してゆくのだ。

素晴らしくアナーキーであることこの上ない。

時代より先を行っていたのではなく、かなり後を行っちゃってたんですな、1980年という時代なのに(笑)。

「なんのテーマもない、ただの暴力番組」とレッテルを貼られてしまい、

新聞投書が相次ぎ、タイトル変更とかを余儀なくされたが、もっと派手に、最後までやってほしかったな。

残念!!

 

 

 

 

1980年・点景

腐ったミカンにも、なれやしねぇ

 

ほとんど学校に来ない西岡という女子がいた。

修学旅行前から急に見かけなくなったが、思いっきり距離を置きたい類な人だったので、みんななんとなく胸をなでおろしていたと思われる。

めんどくさそうやしな。

まあリアルでやんちゃの限りを尽くしていた人で、その後、学校に来出したのは年明け。

卒業前だ。

金髪クルクルパーマ、Gジャン。

メイクばっちり。リアル積み木くずしかよ(笑)。

何しに来てたんだろ?

 

暴走族に入っているとか、何度も妊娠して堕胎したとか、シンナー中毒になり精神病院に入っていたとか、まあいろいろうわさがあったが、全部ほんまやったそうだ(笑)。

火のないところに煙は立たんということやね。

卒業後は雄琴のトルコ(ソープランド)勤務だったとかいううわさも聞いた。

 

そういう自分も入れ替わるように、年明けからはほとんど学校に行っていない。

家にこもって受験勉強とラジオ、レコード観賞に精を出していた。

つかの間の天国、である。

腐ったミカンにも、なり切れない、明日に向かって撃てもしない、中途半端で情けない自分の幻影。

嫌いだなぁ、あの頃の自分。

 

 

鹿沼えり

 

 

古尾谷正人の未亡人。

本当に素敵で、かわいくて、エロくてセクシー。

でもって、かなり根性の座っている女優さんだと見受けられる。

映画版ゴレンジャーのイーグル連絡員007でもあるよね。

古尾谷さん亡き後、介護ヘルパー1級を取って、夜は新宿でルパンというスナックを開き、昼は介護施設。

苦労に苦労を重ねて子どもをお育てになられたり、なんかすごいな。

古尾谷さんの残した借金も肩代わり。

そのパワーに脱帽だ。

 

探偵物語の「影を捨てた男」では赤いRX-7をブイブイ運転(している役?)。

日活ロマンポルノみたいなお色気シーンはないが、もう最初から最後まで、そんなに出番が多くないのに、素敵だなと見とれた。

本筋にはそんなにかかわりのない役だったのに、持って行った感が否めない(笑)。

戸浦 六宏、檀喧太、片桐竜二、鹿内 、佐藤蛾次郎、中島ゆたか、柄本明なんかの曲者達が大挙出演した回での、この存在感。

素敵である。

しかし、すごい面々だな(笑)。

 

なんか、こういう腹の座った、存在感溢れる女優さん、いなくなったよな。

別嬪さんは、多いんだけど。

 

ちなみのこのエピソードでの監督は、優作、片桐竜二と同郷、下関出身小池要之助。

後の「ア・ホーマンス」で途中退場する監督。