「たまむすび」というラジオ番組が好きで、その中でも町山智弘の映画紹介、批評?が特に好きです。
正直に言うと、吉田豪のコーナーもいいけど。
ま、この町山さん、すごクールくジェントルマンぽい中年ナイスロマンスグレー風(笑)何ですが、この人がはっちゃけて、マッドマックスの世界に突撃取材、みたいな番組(動画)を見て、腹が痛くて痛くて、顎ががくがく言いました。おっかしかったっす!!
サクッと紹介すると、マッドマックスのメイクをして、頭もモヒカンにしてテンション高く燥いでいるのですが、いざ決闘を体験するときに、お互いに宙づりになって、変な棒で相手と殴り合うのですよね。
もうあのクールな町山さんが幼子のように顔をくちゃくちゃにして喜んで燥いでいるのですよね。
あんなにかわいいおっさんの笑顔は初めて見ました。ナンバーワンですよ!
で、その棒が、タクシーの運ちゃんが車のフロントガラスをパタパタやる羽の棒みたいなやつで、それで相手をぺちぺちたたき合うという、もうここまでで腹筋はかなり崩壊するのですが、その後なぜか勝負に勝ってしまいます。
で、勝った瞬間なぜか、テンションがガタ落ちして「右手の薬指を脱臼しました。すみませんが放置すると後遺症が残るので、これからER行きます」、と暗い声で語りだすという。
番組の展開上も、この急激な落差が妙にシュールで、非常識で不謹慎でしょうが、相当わらけました。
町山さん、その後後遺症は?大丈夫なのでしょうか?
すみません、大いに笑った上に動画のいいねボタンを押してしまいました。
ゴキブリは3月頃から活動が活発になり、5月下旬から大繁殖。
駆除してもしてもきりがない。
なぜだ?
実は外から入ってくるという。
そうだったのか。
「家にメスのゴキブリが1匹出たら、500匹はいると思え」ということらしいが、そんなゴキブリにも恐ろしい天敵がいる。
「エメラルドゴキブリバチ」だ。
エメラルドゴキブリバチの成虫の寿命は数ヶ月あり、メスがゴキブリに数十個という卵を産み付けるには1回の交尾で十分らしい。
生物的防除兵器としてゴキブリ駆除に活かせないのか?
研究者にもそう考えた方はいたらしい。
1941年、ハワイにて導入。
だが結果はというと、残念ながら期待していたほどの効果なし。なぜか?
エメラルドゴキブリバチを大量に放飼しても、強烈な縄張り意識と行動のために、広範囲に広がらなかったことと、ゴキブリの繁殖力に比しての産卵数が追い付かなかったことが挙げられている。
エメラルドゴキブリバチは日本には生息していない。
が、しかし日本には近縁のセナガアナバチ(サトセナガアナバチ)とミツバセナガアナバチがいる。
日本産の2種はエメラルドゴキブリバチよりもやや小ぶりで、体長は5~18ミリ程度。
セナガアナバチは本州の愛知県以南、四国、九州、対馬、種子島に、ミツバセナガアナバチはさらに南方の、奄美大島、石垣島、西表島に生息。
この2種はエメラルドゴキブリバチ同様体色は金属光沢を持ったエメラルド色で、クロゴキブリ、ワモンゴキブリなどを幼虫の餌としてくれるようだ。
では、エメラルドゴキブリバチは、どのようにしてゴキちゃんを狩るのか?
まずは逃げまどうゴキブリの上から覆いかぶさり、顎でかみついて身動きを取れないようロックオン。
すばやく針を刺し、毒をゴキブリの胸部神経節に入れて前肢を麻痺させる。
この最初に針を刺す場所は厳密に決まっているらしく、そこを的確に貫くそうだ。
1回目の麻酔は、2回目の注入のための準備で、前肢が麻痺しほとんど動けなくなったゴキブリの脳へさらに毒を送り込む。
この2回目の注入で、ゴキブリの逃避反射を制御する神経細胞を麻痺させる。
要するに神経伝達物質であるオクトパミンの受容体をブロックするのだ。
「逃げる」ことを忘れさせるのである。
その後、ゴキブリはしばらくして麻酔から覚め、放心状態になる。飛んだり、素早く方向転換したりという能力は損なわれていない。
しかし、逃げるということに意識はない。
なななんと、ひたすら身づくろいを始めるのだ。
ロボトミー手術のようである。
昔見た映画「カッコーの巣の上で」を思い出した。
そんなゴキブリの触角を、情け容赦なく2本とも半分だけ嚙み切る。
大事な触角を切られたゴキブリは、もはやハチのなすがままの奴隷。
さらに切り落とされた触角からは当然、ゴキブリの体液が溢れる。ハチはこの体液を吸う行動を見せる。
これは、ゴキブリに注入した毒の量を調節するためだと考えられているそうだ。
毒が多すぎるとゴキブリが死んでしまい元も子もない。
また少なすぎても逃げられてしまう。
目的は、「死なないように生かすこと」にある。
なぜか?
幼虫の生き餌とさせるためだ。
生餌とする理由は、幼虫に死肉ではなく新鮮な肉からの栄養を摂取させるため。
そのため、幼虫が蛹になり肉を食べなくなるぎりぎりの時期までゴキブリを死なないように生かすのだ。
恐ろしい話である。
ハチはまるで犬の散歩をするように、短くなった触角をちょんちょんと引っ張って、ゴキブリを自分の巣穴に連れ込む。
というか、ハチの促すままにある場所へと自分の足で歩いていくというほうが正しい。
さすがのハチも自分よりもはるかに大きく重いゴキサンを巣穴に運ぶのは大変。だから歩かせるのだ。
餌になるために己で歩けとばかりに。
冷酷非情であること極まりない。
母親が、自分の子どもを育てる場所として事前に作っておいた真っ暗な地中の巣穴に到着すると、その足の付け根あたりに自分の卵を産み付け、巣穴を出て入り口をふさいでしまう。
これにて一連の狩りー産卵が終了。
後は、まさに生き地獄である。
いや、生餌地獄か。
生物学的には、「捕食寄生」というらしい。
ハチの子が卵から孵るまでは3日間程度。
その間も、幽閉されたゴキブリは肢の根元に卵をくっつけたまま、静かに自分の身づくろいなどをして過ごしている。
そして、やがてエメラルドゴキブリバチの幼虫が卵から孵ると、ハチの子どもはゴキブリの体に穴を開けゴキブリの体内に侵入。
ゴキブリはある程度自由に動き回れる力も残っているが、なんの抵抗も示せない。ただ生きたまんま内臓を食い荒らされつくすのを待っているのだ。
ハチの子どもが蛹になってやっと、ひっそりと息を引き取ることが許される。
なんか、ゴキブリがかわいそうに思えてきた。
今ならば少しやさしい目でゴキさんを見れそうな気がする。
しかし、これでも終わらない。
内臓空っぽのゴキブリの殻=外骨格が、ハチの子どもの蛹を防御する鎧となる。
そして、蛹になって4週間後、成虫となったエメラルドゴキブリバチは、ゴキブリの亡骸を突き破り、飛翔する。
昔見た映画「エイリアン」みたいだと思った。