ほんまにオレはアホやろか | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
HP https://www.music-scene.jp/triflingbeetle/

 

 

ピチカートファイヴ、オリジナルラブ、THE CHANG、カーネーション、カヒミカリィ、嶺川貴子とか、本当に渋谷系と、その流れのあるような作品は大好きでよく聞いていた。

Cymbals、ロッテンハッツ、ヒックスヴィル、GREAT 3、バッファロードーター...。

フリッパーズギターもしかり。

 

ドラムンベースとかがはやったころに、コーネリアスとなった小山田圭吾の作品を聞き出した。

そして、あっけにとられた。

すごいな、と。

 

コーネリアスの音楽を聴けばわかると思うけどが、普通じゃ作れないものだ。普通の社会人としての人格とか、マナーとか、価値観、倫理観でがんじがらめになっている人には、ああいうものはできない。

どこかが欠け落ちて腐っていないとできない音楽。

そう思う。

 

 

で、俺は大好きだ。

melow wavesなんて、何回聞いただろうか。 

聞いていても全然飽きない。

コーネリアスの創る音楽作品が、単純に大好きだ。


 

ロッキンオンのインタビューも、昔リアルタイムで読んで知っていたし、その時になんだかなと思ったことも事実だ。

むかっ腹は立たなかったけど、あ、やっぱりそうなんだと思った。

こんな奇抜で中毒性のある音楽を作れるってことは、やはりこの人は人間としてはNGだなと。

もっと正当で、なじみやすく、きれいな音楽を作れる人じゃないな、と。

こんなに壊れているから、あんな音楽が作れるんだと、妙に納得してしまった。

 

 

 

 

というか、そもそもが、オリンピックの音楽を、作る柄じゃねーよ(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンビニなんかにある「実話ナックルズ」。

たまに立ち読みとかするのですが、あれの中に書いてあることって、ホンマやろかと思うこと多々あります。

いや、ホンマのところどうなんでしょうか?

ものすごい自信と、揺るがないプライドの絡められた「ほんまかいな」というありえなさそうな話が、堂々と描かれている。

関係者は、基本的に顔出し。

ソースも明記。

根性が入っており、パンチも相当効いている。

やらせ臭が漂うけど、頭ごなし否定するにはなんとなく根拠が乏しい、虚実微妙な色合いの特ダネ写真。

 

これが本当だったら本当にエライ事ですよ…。(*_*; ((((;゜Д゜))) | BIKEとKieちゃんが好きな通勤快速Todayのブログ (ameblo.jp)

 

 

根も葉もないことを堂々と描いているようには思えないし、かといって火のないところに煙は立たないだろうし。

こういう雑誌の記事を読むといつも苦悩してしまいますね、何を信じればいいのか、と。

昔、床屋にある週刊実話とかをげらげら笑いながら読んでいたが、あの雑誌でさえ、すごくグレーな言い回しに終始しており、逃げ道を確保していた気がする。ここまで断定してはいなかった。

大丈夫か、ナックルズ。

 

 

水木しげる著「ほんまにオレはアホやろか」を読みました。

 

何を隠そう、子供のころ、水木しげるに超憧れて、漫画家になりたかった頃がありました。

夢というのでしょうか。漫画家になれなければプロ野球選手、という感じ。

 

野球では子供ながらに右中間の深いところに飛ばすのが異常にうまく、そのあたりに柵越え、ランニングホームラン、併せて何十本も打ったことがあります。 多分三年間で100本とか(笑)そういうレベルでした。

もちろん投手、内野、外野も兼用、どこでもやりました。三刀流ならぬ五刀流くらいでしょうか。

 

まあ、話がそれましたが、第一志望が漫画家だったんですよね、小学校3年~5年生くらいまでは。

 

そのころに親父が買ってきたり持っている水木漫画を、わけがわからないまんまに読みふけました。もう読み漁るという感じでしょうか。

 

主体はサンコミックスでしたね。

「一陣の風」「たらちねの巣」「糞神島」「総員、玉砕せよ」「虹の国アガルタ」「死者の招き」「妖怪水車」「日本奇人伝」...。

懐かしいです。できればコンプリートしたいなと思うのですが。

 

 

 

 

 

 

そういえば水木漫画の背景定番の「ぼろい障子の扉」にそそられたりしました。

母方の田舎に遊びに行ったとき、なぜかその風景を実現化してみたくて、障子に穴をあけたり破ったりして、かなり怒られましたな。

 

水木さんは戦争に行った体験をお持ちでした。

その時の、主に現地でのエピソードなんかは、帰還してからのご自分の漫画の内容やテーマ、メッセージの非常に重要なモチーフとなっていました。

とてもカラッと、そうでいて軽くなら過ぎぬように配慮されて、しかと描かれていますよね。

飄々としているようでいて、実は主張は一貫していて、全くぶれていません。

 

この「ほんまにオレは...」は挿絵を除けば文章で構成。水木さんが、実は文章書きとしても有能なことがうかがえます。

 

記憶に残りそうな記述を列挙してみると、やはり戦争が激烈を極めていく過程で、この国の雰囲気が段々と狂ってゆく部分だろうか。

 

「近所では、防空演習だの、ゲンコツ体操(体を鍛えて御国のために尽くすのだという新発明の妙な体操)だの、何かと雰囲気がおかしくなってくる」

「新聞や雑誌は軍人や軍隊の賛美でうまっている」

「繁華街の催し物といえば千人針ばかり」

「映画は『西住戦車隊長伝』といったものばかり」

「街を歩く女学生はスカート姿ではなく、モンペ姿」

「菓子家からは菓子が消え、砂糖は配給制」

「酒も配給制で不満がたまり、先生たちもギスギスしていた」

 

勝ち目のない無謀な戦いへと、後先考えず、ちゃんとした理論的な判断を下さず、ただただ、根拠なく突撃していった帝国ニッポン。

理知的な決断を下すタイミングは何度もあったと思うのだが、ことごとく無視して、変なプライドに任せて無謀さを貫徹させてしまった挙句があのざま。

最後は原爆でとどめを刺されてジエンド。

その負の遺産は、いまだにこの国を厚く覆っていることは誰もが知っている限りである。

 

水木さんはそういう愚かさすべてを、いろいろな媒体を使って、亡き後も、ごくシニカルに伝えてくれているのだと思った。