四国の高校野球はレベルが高いことで有名だが、甲子園に出てこない、つまり予選敗退のチームのなかに、甲子園に出る高校と実力的にまったく遜色のないチームがやたら多いことでも有名。
そんな中で初めて甲子園に出てくるチームがいきなり活躍したり、いきなり優勝したり、たまにある。
新田、川之江、新野、中村、池田、南宇和、宇和島東、伊野商業、済美…数え上げればほんまにポロポロ出て来る。
地区予選常連だがまだ甲子園に出ていない生光学園、鳴門渦潮(徳島)、松山聖陵、今治東、帝京五(愛媛)、高知東、高知中央(高知)なんかも出ればいきなり活躍する可能性大だ。
さて、夏の大会は一県一代表であるが、秋の大会は各県複数高が四国大会に出ることが出来る。
以前は一県二代表だったが、現在は三代表が地区大会に出ることが出来る。
例えば1980年秋の四国大会に出た8校のほかにも、出られなかった(県予選準決勝敗退以下)チームになんともいえないチームがたくさんいた。
香川ではまだ甲子園常連化する前の尽誠学園、明徳、その他、帝京五、土佐、中村、池田、徳島商業など。
四国大会で一勝してベスト4に入った4校がまんまセンバツされたわけだが、その高知商業、丸亀商業、鳴門商業、高松商業と一回戦敗退の今治西、松山商業、小松島西、伊野商業との差はあってないようなものだったという。
1981年もベスト4がセンバツされたが、明徳、丸亀商業、鳴門商業、高知商業と、それ以外の池田、尽誠学園、帝京五、松山商業との差はほぼない。
四国大会はそういう大会だ。
1983年秋の四国大会は丸亀商業、明徳、池田、松山商業がベスト4に入りこの4校ですんなり決定かと思われたが、池田が選考前に不祥事で辞退する。
これを受けて4校目は一回戦敗退チームの中から選ぶのかと思いきや、なんと、4校目は地区大会に出ていない徳島商業というサプライズ。
徳島県予選準決勝で池田と接戦の末惜敗したチームだ。
広永を軸にした力強い攻撃型チーム。
この徳島商業が甲子園で勝ち進む。
夏も連続出場した。
先行委員の目のよさを証明したと同時に、四国のレベルの高さを証明した出来事だった。
今センバツに出た松山東も地区大会を勝ちあがることはなかったが、それでも四国レベルではかなりの実力チーム。
21世紀枠での出場ではあったが甲子園で勝ったことはそれほど不思議でもなんでもない。
投攻守すべてにおいて鍛えられた好チームだなぁ。