宅録ミュージシャン雑記  11月某日  | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
HP https://www.music-scene.jp/triflingbeetle/

カンガルーの肉って、食べられるのか?おいしいのか??

鹿と似ているのだろうか???




寺町通御池を北に入ってすぐのエスニック雑貨店「歩」は、もう何十年もお気に入り登録している店。


宅録ミュージシャン雑記 月に見下ろされて ~宅録ミュージシャン trifling beetleのブログ~ 宅録ミュージシャン雑記 月に見下ろされて ~宅録ミュージシャン trifling beetleのブログ~


ここでずっと買い続けているのはお香だ。

もうこの香りなしには生きれない。

いろいろなものがあり、それぞれの差異というものは、実はさほど感じないが、それでもココナッツとバニラ、レモングラスにこだわっている。

匂いで安堵するタイプなのだ、自分は。


近所の民族楽器コイズミも大事な御用達だ。

ここで購入したオーシャンドラムは未だ現役。




民族楽器コイズミ



宅録ミュージシャン雑記 月に見下ろされて ~宅録ミュージシャン trifling beetleのブログ~ 宅録ミュージシャン雑記 月に見下ろされて ~宅録ミュージシャン trifling beetleのブログ~



青空の卵 [坂木司] は5作品からなる連作。


宅録ミュージシャン雑記 月に見下ろされて ~宅録ミュージシャン trifling beetleのブログ~

主人公は坂木司で、自称ひきこもりという鳥井真一という友人がいる。

彼を外界へと連れ出そうと奮闘する坂木と、鋭い観察眼を持ち、料理が趣味という鳥居との交流が、物語全体を覆うメインテーマだといえる。

内容的には、「夏の終わりの三重奏」「秋の足音」「冬の贈りもの」「春の子供」「初夏のひよこ」の五編が、季節の移ろいに合わせて流れて行くというスタイルで、全編が坂木のモノローグとなっている。

季節の流れに歩調をあわせて、人もそれぞれに変化してゆく。

だがこれは、決して明るく希望に満ちた物語ではない。

なぜかというと、優しさを携えた残酷さというものがしっかりと含ませてあるからであり、よって読後は何となく息苦しくなること然り。

毒気で心がピリピリと痺れてしまい、なんともやるせなかった。


ところで、人の心の奥底にあるものは、パッと見で見えたならば、大してどおってことはない。

が、しかし、それがなかなか見えないときに、何となく井戸の底を覗き込んでいるような不安や怖さを感じることがある。

他者が何を考えているのかまったく汲み取れないときなどがそうだ。

この作品は文章でない部分を使い、人間の心の奥の、最も深い場所や、あるいはそこにあるものを、しっかりと描いて伝えていると思う。

これでもかと突きつけているといったほうが尚更正確だ。


これらは一様に、決して文字情報としては入ってこない代物で、だが読んでいるうちに、雰囲気というか空気感というかそういうもので、深層にある何かの存在を、薄ぼんやりと感じてしまうのである。

もう心がざわざわしてたまらない。

まるでトラウマが騒ぎ出したみたく


かなり重たく来る物語だ。


『青空の卵』の続編として『仔羊の巣』、『動物園の鳥』があり、シリーズ化されているそうだ。