昨年の10月のブログに、「ベートーヴェンの言葉」で私の心に響いたものを

いくつも取り上げて書きましたが、実はその中に、深遠過ぎてどういう意味なのか、よく分からなかった言葉が一つあったのです。

それは、

「音楽はあらゆる知恵や哲学よりも高度な啓示である。」

というものでした。

 

「啓示」というのだから、神の啓示とか、天の啓示とかいうものでしょう。

そして、何かの真理を示す、伝える、というものでしょう。

音楽にそういう力があるのか、何を伝えようとしているのか。

しかも、ベートーヴェンは、「あらゆる知恵や哲学よりも高度な、、」と、

そこまで言っているのです。

少なくともベートーヴェン自身は、彼の脳内に、彼の体内に、湧き上がってくる素晴らしい音楽を、天からの啓示として受け止めた、体感していたのだろうと、想像するしかありませんでした。

 

つい先日のことです。

とても美しいメロディーを混声合唱で歌われるのを聴いていて、

ふと、思ったのです。

そのメロディーの美しさはもちろんのこと、その各パートの調和したハーモニーの美しさ、そして、その音楽の美しさに共感、共鳴して、共に表現しようとしている

人達の心が、一つに結ばれ合っている姿が、とても美しいものに見えたのです。

何の雑念も邪念もなく、ただひたすら「美」を表現しようとする一点で、共感し

結ばれ合った心と心の美しさではないのか、と。

このことは、合唱に限らず、楽器での合奏でも全く同じことだと思いました。

 

それをますます納得させられたのは、フィルハーモニーという名前です。

フィルハーモニーとはどういう意味なのか、調べてみると、

「フィルハーモニー」とは、「愛する」を表すギリシャ語の接頭語「フィル」と「調和、和音」を表す「ハーモニー」を結合させた言葉。とありました。

 

つまり、この、「ハーモニーに共感する、共鳴する」人との強い結びつき、

これを愛と言っているのではないか。

(出てきましたよ~、私の確信、愛とは共感すること、”あの時、同じ花を見て、美しいと言った二人の心と心が~、、、あの素晴らしい愛をもう一度~♪” )笑

 

というわけで、我田引水ではございますが、(^^;)

ベートーヴェンの言葉、「音楽はあらゆる知恵や哲学よりも高度な啓示である」の

意味は、「人と人との調和、ハーモニーこそが最も尊いもので、最も美しいものであること、言葉を変えれば、そのハーモニーに共感、共鳴するところに愛があるのだということを、音楽は啓示している」という意味ではなかったか、と確信したのです。

 

それにしても、北山修という人は、

「同じ花を見て、美しいと言った二人の心が、、あの素晴らしい愛を、、」と

実にサラリと言ってくれたものだと、改めて感じ入りました。

 

急に、ベートーヴェンの、

「音楽はあらゆる知恵や哲学よりも高度な啓示である」という言葉が

腑に落ちた思いがして、胸のつかえがとれたようなサッパリした気持ちです。

 

腑に落ちた、ふ~っ、

(ざ、ぶ、と、、)(^^;)