こんにちは、トライズポイントオートワークスです。
いつも当店のブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。
今日は、Coleman M-1950 軍用ストーブ 修理の様子をご紹介します
当店のブログをご覧いただいているお客様から、
「充分ポンピングして余熱後に点火してもすぐに炎が弱くなり消えてしまう」との事でお預かりいたしました。
すいません、完成後の写真を撮り忘れました。
ストーブをお預かりしてから、少々お時間を頂戴しましたが、症状の確認を行い、分解を開始しました。
点火試験を行いながら、バルブホイールの動きが制限されている事に違和感を感じ(オープン側が全開にならない)その点も注意しながら点検しつつ分解を行います。
バーナー部と、ジェネレーターのノズル部分がカーボンで煤けていて気化ガスの噴射がうまくいっていないようです。
いきなりですが、タンク内部の写真です。
タンク内部に、汚れやサビが見られることがお分かりいただけますでしょうか?
早速、タンク内の洗浄から開始します。
いつものように、当店特製のタンク洗浄液で、タンク内の汚れとサビを落とします。
洗浄液が透明になるまで、何度も繰り返し洗浄します。
洗浄後には中和処理を行います。
洗浄後の写真です。
洗浄前の写真と比較してご覧ください。
洗浄後の写真、下の方に赤茶色に見えるのは、製造時のロウ付けの為にできた変色です。
分解しておいた他の部品も、洗浄/清掃/点検を行います。
各部品を点検し、パッキン類、カップは全て交換します。
前述しましたバルブホイールの動きが制限されていた原因の追究に取りかかります。
バルブボディ内部、バルブステムとカム部分、ジャムナット、バルブホイール、フレームのストッパー等診断しますが特に異常は見られません。
エキセントリックブロックも目視で見る限り異常な摩耗等は無いようです。
一度仮組を行い、バルブホイールの動作を見てみますが、やはりオープン側には全開にならない状況に変わりは有りません。
バルブボディ内部には、カムの動きを制限するようなものは無く、バルブステムカムの変形か、エキセントリックブロックがどうやら原因しているようです。
バルブステムを手持ちの良品と比較してみますが特に異常はないことがわかりました。
エキセントリックブロックを同じく手持ちの良品と比較してみると、カムが動作する溝に違いがあることがわかりました。
2個のエキセントリックブロックを比較した画像です。全体の長さに限っては若干の違いは有るものの、性能に影響する程ではありません。
エキセントリックブロックのカム受け側を見てみると、カムが差し込む溝(写真下側の溝)の位置に明らかな違いがあります。
①製造時に寸法違いで作られた不良品を誤って使用されてしまったエラー。
②過去の整備時に他のモデルの部品を誤って使用された。(他のモデルにこのような寸法の物が存在するのかは、わかりませんが・・・)
私の勝手な考えですが、このような寸法のエキセントリックブロックが使われていた原因と推測します。
この寸法違いのエキセントリックブロックを使用すると、全閉にした時にクリーニングニードルがノズル穴を貫通せず、途中で止まってしまいます。これではクリーニングニードルがノズルを清掃することが出来なくなり、ノズル穴にカーボンが堆積し、気化ガスが詰まってしまい燃焼しなくなります。
手持ちのエキセントリックブロックを使用して組み込み、ポンピング、燃焼試験を行いました。
バルブホイールの回転は正常になり、燃焼の状態も良い感じです。
バルブを全閉にするとノズルの先にクリーニングニードルがひょこっと現れます。
福岡県のS様、今回はご用命いただきましてありがとうございました。
当店では、自動車整備以外にもランタンとストーブの販売や点検修理も承っております。
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