こんにちは、トライズポイントオートワークスです。
今日は、当店と長年お付き合いいただいておりますお客様のローバー ミニ1000ccのクラッチレリーズ関連を整備させて頂きました際のお話です。
写真の車両はイメージです。実際のお車とは異なります。
ご入庫いただいたお車は、1989年式のミニです。
新車から31年が経過しているお車ですが、オーナー様はとても大切になさっていらっしゃいます。
今回、ご入庫いただいた際、クラッチのつながりに、ほんの少しではありますが違和感を感じました。
明確にクラッチが切れない、といったような症状ではなく、クラッチを切ってギヤを入れクラッチをつないでいくと、つながり始めのタイミングが若干早いのです。
試乗をしてみましたが、クラッチがつながった後の滑りやジャダーなどの症状は感じられませんでした。
クラッチオイルに気泡が混入している可能性がありますので、まずは、クラッチオイルの量を点検し、クラッチオイルを交換いたします。
排出されたオイルに気泡は混じっておりませんでした。
レリーズシリンダーやクラッチマスター、マスターとペダルを接続している部分のピンやプッシュロッドにも特に異常は有りません。
ここまで作業しましたが、クラッチ操作に特に変化は有りません。
このような症状ですと、次に疑うのはレリーズレバー周辺になります。
レリーズシリンダーをミッションケースから切り離し、クラッチレリーズレバーを取り外し点検します。
左写真:左のレバーが今回のお客様のミニから外した部品、右が新品です。
先端のボール部分がピカピカと光って摩耗しているのが分かると思います。
右写真:レバーの軸となる丸穴が新品と比較して楕円になっています。
レバー軸のピンは、写真上の大きい方になります。かなり段付きになっています。
これらの部品は交換することになります。
さて、次はレバーの相手部品の点検です。目視点検で交換が必要と判断できましたので、クラッチハウジングを取り外していきます。
外したプランジャーがこちらです。矢印部分が大きく凹んでいます。
本来ここは凹んでいないのが正常です、新品との比較写真でご確認ください。
プランジャーも交換になります。
クラッチハウジングに関しては、年式相応の状況ではありましたが段付き摩耗等は無くそのまま洗浄とグリスアップでいけそうです。
レリーズプッシュロッドも気になる摩耗は有りませんので使えそうです。
レリーズレバー先端のボール状部分と軸穴の摩耗
レリーズレバー軸ピンの摩耗
プランジャーの摩耗
以上の3点が複合的に重なって今回の症状が出ていたという事例です。
このまま乗り続けると将来クラッチの切れが悪くなり、ミッションを痛めてしまうことになってしまいます。
あと一歩でクラッチ交換というところまで作業は進んでいますが、クラッチ板、カバー等は、お客様と相談の上、今回は交換せずに使用することにいたしました。
その他、エンジンマウント、ステディロットブッシュ、等は定期交換部品の為交換いたします。
各部品をグリスアップしながら組み込んでいき、組み上げ後にプランジャーの調整を行いペダル操作感や走行に異常がないことを確認いたしました。
今回のような症状は、日々乗られているオーナ様には判断しにくい症状です。
ある日突然症状が現れるような故障とは違い、車に乗るたびに、少しづつ少しづつ摩耗が進んでいき、ほんの少しずつ症状が変化している為オーナー様は気付きにくいんです。
最近クラッチペダルがスムーズに踏み込めない、クラッチペダルが重くなった、という症状の方はご相談ください。
特に、クラッチレリーズの上部にウインドウォッシャータンクが取り付けられているミニのオーナー様は、ウォッシャータンクからの液漏れで同様の故障につながりますので、ご注意ください。
私たちメカニックは仕事上、何台ものミニに乗る機会があるため、例えば、このお客様のミニにはこんな特徴がある・・・・等感じ取ることができます。
専門店や経験豊富なショップに整備を依頼するというメリットはこんなところにもあります。
当店では、ローバーミニの整備や車検、チューニング、ドレスアップ等のご相談にお答えしています。
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